ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 機械達ノ笑ウ場所 オリジナルキャラ募集中です ( No.46 )
- 日時: 2011/02/22 14:20
- 名前: 黒鳩 ◆k3Y7e.TYRs (ID: Y8BZzrzX)
4話 inside 前途多難な姉妹?
「……ていう訳なの。お願い、瑪瑙も連れていくの、了承してほしい」
その後、水晶とセリアが目を覚ましたので、早速事情を説明。
「うん、私は翡翠がそうしたいなら別にいいよ。敵意はないんだね?」
「ないよ。家族だもん」
「はい。あたしは皆さんと戦うつもりはありません」
セリアは割と速く了承した。
「そうか。なら安心だ」
笑顔になるセリア。
ちなみに魔術師二人はまだ寝てる。
しかし。
「……」
水晶は、何とも難しい顔をしていた。
「水晶?」
翡翠は水晶が嫌がっているのかと思った。
「別に嫌な訳じゃないんだ」
聞くと、彼女は違うと言う。
「たださー……あたしとしては、瑪瑙とは揉めてるんだよね。過去に」
「そうですね」
瑪瑙もまた複雑そうな、いや、水晶を睨んでいる。
「前に言いましたが」
びしり、と水晶に指を刺す。
「水晶……姉さんはあたしの姉さんです。勝手に自分の姉にしないでもらえます?」
「だからそれがむかつくの!」
水晶は、んがーっ!と吼えた。
「あたしは愛称でお姉ちゃんて呼んでるだけ!現にセリアお姉ちゃんだってそう呼んでるでしょ!」
「それがあたしは気に入らないと言っているんです!」
「……はぁ」
早速姉妹喧嘩が勃発した。
瑪瑙から聞いているが、過去に揉めてるのはどうやら翡翠絡みらしかった。
「だったらどう呼べっていうのよ!」
「さんづけとか様づけでいいでしょう!」
「無理!無理だから今更!」
「貴方って人は!」
いつしか水晶と瑪瑙は取っ組み合いの喧嘩を始めていた。
「こらぁ!二人とも何してるの!」
翡翠はいつ武器を取り出すかハラハラしながら慌てて諫める。
「ふかーっ!」
「フーッ!」
水晶は昨日より全身が泥だらけに、瑪瑙は綺麗な金髪がぐちゃぐちゃになっていながら、お互いに猫のように威嚇していた。
「お姉ちゃんこれ横暴だよ!あたしはこのままでいいよね!?」
「姉さんも何とか言ってやって下さい!示しがつかないと!」
「二人とも……どうどう」
二人の間に入り、無理やり落ち着かせる。
「はいはい、二人とも。私のことで喧嘩しないの。ね?」
「……」
優しく諭すと、水晶は治まった。
しかし瑪瑙は治まらない。
「姉さん!これっだけは譲れません!水晶を矯正します!」
「瑪瑙、それ以上やるなら、姉として怒るよ?」
笑顔のまま怒りマークが出ている翡翠に、ようやく瑪瑙も治まった。
「はい。二人ともいい子いい子」
自分より小柄な二人の頭を撫でる。
「や、やめてよお姉ちゃん!あたし子供じゃない!」
文句を言いつつ振り解こうとしない水晶。
「……」
嬉しそうに自分から頭を摺り寄せる瑪瑙。
そんな様子を、セリアはこう評価した。
「何だか、キミ達は兵器に見えないな。本当の姉妹の様だよ」
「そうかな?」
その一言が翡翠にはとても嬉しかった。
それは、自分を人間としてみてくれた一言だったから。
「しかし、私たちは了解したけど、あの二人はいいの?」
「いいの、あれはついでだから」
翡翠は、寝ている二人を細い目で見る。
「何なら、置いていってもいいんだけどね」
「姉さんを本気で怒らせておいて、よく生きてますねその魔術師さん」
瑪瑙は不思議そうな顔をした。
「途中で我に返ったから。そのまま戦ってたら勝ってたよ」
「でしょうね」
姉のスペックはよく知っている。
このメンバーの中で、恐らく一番強い。
瑪瑙は納得した。
「さて、一応オマケとは言え、置いてくのは可哀相だし、起こしておくね」
水晶が、寝ている二人にとことこ近づいていく。
あの水晶が、感心して見ている先で。
「まあ、起きる前に永眠かな」
すごく悪い笑みを浮かべながら、散弾銃を取り出す水晶。
やっぱり殺そうとしていた。
本当に大丈夫だろうか……?