ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Clown・the・dark -辟易の番人- ( No.17 )
- 日時: 2011/02/15 20:16
- 名前: とらばさみ ◆rL9ltCA.s2 (ID: cebg9jtM)
- 参照: 山本ォォォォォォォォオ
確認するのには時間はかからなかった。
神無月の冷たい言葉を後に、男は目を光らせる。
「冥土の土産に教えてやろう、私の名はクラウザー。」
男、否クラウザーは低い声でただ延々と冥土の土産と称し四方山話を続ける。
「私は悪魔に魂を売った、それ故に私は最強の肉体、魔力、そして権力を手に入れた。」
神無月の背中にはクラウザーがおびき寄せるずっしりと重い雰囲気がただただのしかかる。
「お前らは黙って見ていろ、この情けない男の最後を嘲弄するかの様な目で見ると良い。」
クラウザーはその言葉を最後に右腕を振り上げた。
そしてリンゴをぐちゃりと潰すかの様に手は空を握る。
空を握り掌握するかの様に手からは禍々しいオーラが漂う。
尚、クラウザーは手を掲げるのをやめず、不適な笑みを浮かべる。
その瞬間、手からどす黒い液体が零れた。
その液体は漆黒の様にどす黒く、影すらも消し去る様な色をしている。
しかし液体を凝視している暇は存在せず、視線を再びクラウザーの王に向ける。
「私の能力…いや魔術と言った方が正しい……私の魔術は『召喚術』と言う物だ。」
召喚術。
元々は儀式魔術の一環として使用されたこの魔術は、異世界と現実を繋ぐ扉を作り魔物を召喚する魔術だ。
術者の心身を守る為、魔方陣を描くと聞いたが、例外に過ぎないのかクラウザーはクククと笑いながら手を降ろす。
懇請という意を持ったこの召喚術にあの男は何を求めているのかは理解できない。
しかし、俺たちを殺.す、故に召喚術を利用し抹殺を目論むという所だろう。
それに脅える程俺だって弱虫じゃ無い。
強いて言うのであれば勇敢な戦士の様な物だ。
「……召喚、術。」
声が禍々しい雰囲気によって切断されるかの様な錯覚が生じる。
「…その名を知った所でお前には何も出来まい……行け、我の僕よ。」
クラウザーは言葉と共に右腕を前に突き刺すかの様に神無月の方向へ向ける。
その瞬間、謎の模様に囲まれた円が空中に浮かび上がり、そこからは得体の知れない魔物の様な生物がうじゃうじゃと沸いて出てくる。
「……宮本さん、応戦しましょう。」
ビルから遠目で見ていた五十嵐はそう、何かしらの信念を持ち合わせたような面持ちで。
「面倒だが仕方が無い…… 助けに行くぞ 同じ日本班として。」
宮本はそう言うと、五十嵐より先に階段を降りて行った。