ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Clown・the・dark -辟易の番人- オリキャラ募集 ( No.25 )
- 日時: 2011/02/17 21:42
- 名前: とらばさみ ◆rL9ltCA.s2 (ID: cebg9jtM)
- 参照: 山本ォォォォォォォォオ
同時刻 ツァイドの牢獄にて————
湿った牢獄では今も怒号を散らかす輩が居た。
管理すらされてない様な牢屋は鼠が通る穴が複数見え、コケ等が生えている。
見れば見るほど気持ちの悪い牢屋だった。
しかしツァイドの牢獄は世間にはまだ知られていない『地獄』である。
日本から遠く離れた絶海の孤島に位置しており、人間が軽い気持ちで立ち寄る事はできない。
それ故に脱走等を考える人間すら存在はしないのだ。
一日後
船で、また新しい収容者が運ばれてくる。
その収容者達は皆ゲッソリとやせ細っており、人間とは思えない顔であった。
収容者達を部屋に案内する兵士の様な服装をした男は面倒臭そうに行く場所へと手を向ける。
収容者は洗脳されたかの様に、手の方向に歩く。
——————中の収容者には「死.ねゴミクズ野郎共」と小声で呟く者も居れば、心の中でヒッソリと「拷問に耐える」と目標を跋扈する様意志を持つ収容者も少なくは存在した。
その中にいたのが、PSU日本班リーダー宮本、そしてPSU日本班の隊員五十嵐、神無月である。
「PSUの奴らァ? ご苦労さんだな、エリートさんよォ。」
挑発をする様に兵士は宮本を嘲笑する。
乾いた笑いはすぐに海が響かせる波の音でかき消される。
「五十嵐達、挑発に乗るなよ… まあ別の部屋かもしれんが、頑張ってくれ。」
宮本はそう言うと健闘を祈ると一言告げた。
五十嵐と神無月は微笑み返し、新たな兵士達に誘導され小さな寮の様な場所の入り口に立たされた。
まず最初にうっすらと目を開けるのは宮本だった。
目の前に繰り広げられた殺風景で薄汚い部屋を見て思わず絶句する。
そうか、部屋に入った途端疲労困憊で寝てしまったんだ。と宮本は汚いベッドを凝視しながら思い出す。
「おいおい……… こりゃあ、どんな仕打ちだ?」
ふと頭によぎったのは、クラウザーの意味深な言動だった。
『ツァイドの牢獄に入れ、愚者達よ。』
恐らく、この場所はツァイドの牢獄と言われる物なのだろう。
殺風景な部屋の上、目をキョロキョロとさせながら宮本は小さな鉄格子を覗く。
夜なのかは分からない、空は曇天に包まれており、光は顔を出さない。
禍々しい雰囲気を纏いながら空はゴロゴロと音を響かせる。
宮本 真治。 彼の名前だ。
超能力者として名をはせる彼は不満気な面持ちで鉄格子を覗き続ける。
外もまた殺風景な景色に恵まれており、雑草や死体の様な色をした茶色の地面は気分までも曇天に変えてしまう程だ。
好印象等存在しないこの『ツァイドの牢獄』と言われる場所は、正しく地獄に近い場所であった。
同時刻 五十嵐。
宮本同様、疲れに身を任せてそのまま汚いベッドで就寝した様だ。
殺風景な牢獄に五十嵐も動揺を隠せない。
床下で騒ぐ鼠達を他所に、五十嵐はコケの生えた床を見て「チッ………」と小さく舌打ちをした。
同時刻 神無月。
宮本、五十嵐とは違い神無月はずっと起きていた様だ。
眼の下にはクマが大きく出来ており、睡眠不足を感じさせる。
「まったく困っちゃうなぁ、臭いし汚いし。」
そう神無月は言うと、汚いベッドに身を委ねシミが見当たる天井をただひたすら凝視していた。
三人はただひたすら助かりたいと思っていたのだろう。