ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Clown・the・dark -辟易の番人- ( No.4 )
- 日時: 2011/02/12 12:04
- 名前: とらばさみ ◆HHmzLuGBDM (ID: cebg9jtM)
- 参照: トリップキーとかもろもろ消えた、どういうことなの・・・・
そして逃げた先にたどり着いたのは一つの建物。
見た目は茶色くて、目立っていると言われると否定する代物だった。
「ふう……」
少年、五十嵐はため息をつきながら建物内にへと足を忍ばせる。
建物の中にはあいにくエレベーターは存在していなく、上に登る手段は階段しか無い。
疲れるなあ、と少年は呟きながらも階段を登っていった。
不良に追いかけられてクタクタの後に体力をただでさえ消費するこの階段を登れ、とは何とも鬼畜そのままの物だった。
しかしそんな事に煩悩する暇も存在しなく、面倒臭く階段を登る作業を少年は続ける。
「…ふう」
何とか疲れを抑えつつも少年は二階についた。
二階にしては窓ガラスから見える景色はとても滑稽で、美しいと言える物であった。
案の定この建物は五階まで存在していて、あと三階筋肉が硬直した足で登らなければいけない。
自分の運動不足を体感した日であった。
「嗚呼…五階にあいつらが居るらしいけど…四階とか三階でいいじゃねえかよまったくぅ……」
少年は戯言にしか聞こえない言葉を吐き捨てつつも、階段を登っていく。
幾多もこの様な作業を続けてきた少年にとって簡単なはずなのに、今日に限っては疲れが背中に圧し掛かる。
やはり能力を持ってしても、運動不足は解消できるはずが無い、と少年は現実逃避を行ったがすぐに逃避もろとも破壊される。
沈黙の果てに少年は四階までたどり着いた。
二階でみた景色が普通より高かったのと同時に、四階に設けられた窓ガラスから見える景色はとても美しかった。
夜ならではの物であり、スポットライトを全面的に照らしているような。
「んー…五階に居るって聞いたはずなんだけど、物音一つ聞こえやしねえぞ。」
疑問にふける少年の額からは汗が垂れる。
汗に気付いたのか少年はジャケットを脱ぎ、腰にゆっくりと巻き始める。
袖の部分を利用し、しっかりと結ぶと五階へ足を動かした。