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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 誰 も 知 ら な い(オリキャラ募集中です ( No.8 )
- 日時: 2011/02/12 13:56
- 名前: 陰魔羅鬼 ◆ohBawF8LBM (ID: gwrG8cb2)
第壱章 「蜘蛛の糸」
此処に聳え立つは誰も知らぬ屋敷。そんな屋敷に迷い込めるのは現実に飽きた者。
現実離れした惨劇を差し上げましょう。きっと良い気分転換になりますわ。
「いらっしゃい。お嬢ちゃん達」
扉を開けば、そこには異常な風景が広がっていた。累々たる死屍の山を椅子に、頂上に座っている女。
尋常でない雰囲気を漂わせた、着物の和風美人。真っ暗な室内でも輝く真紅の瞳。
「やぁね、そんなに怖がらないで」
死屍の山から下り、こちらに歩んでくる。
「……誰?」
怖い。簡単に言えば怖い。でも、そんな簡単なものじゃない。狂気、恐怖……。
驚くほどに美しい顔が、更に恐ろしい。真っ白な肌に綺麗な黒髪、綺麗な赤い瞳……。
「躾の成って無いお嬢ちゃんね。人の名を聴く時は自ら名乗らないと」
殺意……? 解らない。この人が持っている雰囲気が。沢山の血を浴びて尚美しいこの人が。
「私は……。鎖月 薺……」
その赤い瞳に見つめられたら嘘が吐けなくて、つい本名を名乗りそうになってしまった。
「そちらのお嬢ちゃんは?」
次は神崎 美南に目配せをする。でも、神崎さんは怖がっている風はなかった。
「……神崎 美南」
真っ白いドレスに、散った赤い染みが目立つ。暗闇の中で、彼女に負けないような雰囲気を放っていた。
「可愛いお嬢ちゃん達が揃ったところで、始めましょうか」
殺し合いを。
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