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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 誰 も 知 ら な い ( No.23 )
- 日時: 2011/02/13 16:10
- 名前: 陰魔羅鬼 ◆ohBawF8LBM (ID: gwrG8cb2)
「その前に、死んだ娘達を生き返らせてあげましょう」
パンパン、と手を叩くと、死屍の山が動いて、こちらへ向かってくる。
「っ……」
何を間違えたんだろう。確かに、ちょっと現実が普通すぎてつまらないなぁ、とは思った。
まさかこんな異常な世界に迷い込むとは思っていなかった。ただの出来心で、殺し合いに発展した。
でも、全部自分が望んだ事。自分の始末は自分でしっかりつける。
「何やってるの、死にたいの?」
冷静に武器を構える神崎美南と名乗った女の子。
「怖くないの?」
私も武器を構える。多少の恐怖はあった。蠢く死人達の中には、怪しく微笑む女の人がいた。
「怖くないよ。わたしは死にたいもの」
現実に絶望したわけじゃない。ただ、何となくだと思う。自分でも解んない、考えたこと無いもの。
「ふうん……」
この子に興味はないけど、私はまだ死にたくない。
だんだんと間合いを詰めてくる死人達を撃ち殺す。その度に鮮血が吹き出して、体のあらゆる所に付着する。
美南の方も凄くて、あの子は鋭利な刃物で死人と間合いを詰め、次々と斬っている。
どんどん死人の数は減って、とうとうお姉さん独りになった。
「……お姉さんなら、わたしを殺してくれそうだね」
尋常じゃない事を口走っているが、お姉さんは驚いた様子もなく。
「フフッ、そうねぇ。名前、教えといてあげる。私は蜘蛛女」
あ、そうか。この人の異常な雰囲気は蜘蛛のものだ。巣に捕らえられた獲物は逃すことなく、食い潰す。
「蜘蛛女さんも殺るの?」
バズーカを向けても、何も感じないように白々しい態度だった。
「“殺る”ねぇ……。殺れるの、お嬢ちゃんで?」
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