ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 誰 も 知 ら な い ( No.24 )
日時: 2011/02/13 16:25
名前: 陰魔羅鬼 ◆ohBawF8LBM (ID: gwrG8cb2)


「五月蠅い!!」

酷く自分を冒涜された気分になって、気づけば撃っていた。
それは命中。蜘蛛女さんの左目に確実に打ち込まれた。

勿論左目があった部分はぐちゃぐちゃ。奇妙なほどに白い肌を少し黒っぽい血が滴る。

「酷い人」

美南もそれは流石に酷いと思ったようで、心からの言葉だと思う。




 少しの罪悪感に見舞われた後の事だった。蜘蛛女さんは本当に人間じゃないと確信した。


「アハハッ、凄い事するわねぇ」

左手の人差し指を傷口に突っ込んで、傷口をぐちゃぐちゃとかき混ぜる。
傷口は疼き、やがて失われた左目へと姿を変えた。


「私は尊大だから許してあげるわ。じゃあ、またね」

左目を傷つけられた事、何とも思っていない。むしろ愉しそう。屋敷は血塗れ、死体だらけ。
吐き気を催す腐臭。でも、不思議と何も思わなかった。もう壊れてしまったのかもしれない。



「はぁ。まさか蜘蛛女にバズーカ程度で勝とうとするなんて」

柱の陰から現れた、茶髪のセミロングに青みがかった黒い瞳を持つ少女。

「世間知らずもいい所。どこのお嬢様?」

身長や顔は少女だが、口は達者なギャップを持っている。


私たちは驚いて、声も出ないと言うか、喋る気もないと言うか。


「私は能登 潤。ま、仲間かしら」


まさかこの世界で、味方と言う存在に遭遇するとは思っていなかった。