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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Chapter1 【母親】 Episode4 ( No.7 )
- 日時: 2011/02/15 18:40
- 名前: メルー ◆f2oDWArF9w (ID: 0giHCmeh)
孝太の目の前で正座をする少女と少女に習って正座をする孝太。
二人の間に沈黙が流れていたが、
「……依頼は?」
少女が孝太より先に口を開いた。
孝太は突然の言葉に反応が遅れたが、
「この男を……どうにかして欲しい。」
とアルバムの写真で父親を指差しながら言った。
少女はその写真をしばらく眺めてから、視線を孝太に移し尋ねる。
「……どうにかって具体的にどうして欲しいの?」
「え?」
「怖がらせて欲しいの?傷つけて欲しいの?苦しめて欲しいの?それとも……殺して欲しいの?」
孝太は返事に困った。
さっきまで父親に直接会って殺したいと思っていたのは事実だが、目の前の少女にそう言うと本当に殺してくる気がする。
そう思うと少し心が揺らぐ。
「……どうして欲しいの?」
しかし、少女は孝太に考える暇を与えない。
孝太は意を決して言った。
「この男を……殺して……殺してきて下さい。」
「……取り消しは効かない。辞めるなら今しかない。」
「……いいえ…お願いします。」
「……」
少女は無表情だった。
その無表情のまましばらく孝太の顔を見つめていたが、いきなり礼儀正しく頭を下げて言った。
「……その怨み引き受けました。」
そして少女は立ち上がると、最後に一言付け加えた。
「……解決料は後で貰いに来る。」
そして 無言で写真だけを眺めている孝太を残して少女はその場から消えた。
—— 松谷宅 屋根の上 ——
少女はそこに現れた。
そして しばらく夜風に髪を遊ばせていたが、不意に呼ぶ。
「……銀。」
「はい。」
銀がまた呼ぶ声に応じてすぐに現れる。
「……さっきの男の居場所は分かる?」
「はい。調べておきました。」
「……そう。 なら早く行くわよ。」
「はい。」
二人の姿はすぐに消えた。
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