ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 死神につかまると・・えっ!参照200突破ですか? ( No.38 )
日時: 2011/03/06 17:33
名前: かりん ◆SVvO/z.cC. (ID: ueXHoJNS)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode

第13話 神樹の優しさ

神樹は、桜の亡骸に近寄り手を合わせた。

わたしは驚いて声が出なかった。


そして、気付いた。


これが神樹なりの償いなんだろう。


少し手を合わせた後、神樹は涙をぬぐったように見えた。


そして神樹は消えた。

桜の亡骸の周りには、美しい菊の花が置かれていた。


わたしはふと上を見上げた。


その景色は、夕焼けだった。


ただ、その夕焼けはいつもの夕焼けとは違い、紅く悲しい色だった。


まるで桜の死を悲しんでいるかのように・・・


わたしはつぶやいた。


「きれい・・・」


そういったあとっわたしの目からは、大粒の涙が流れ始めた。


さくらが薄いハンカチを出してくれた。

私はハンカチを受け取り涙を拭いた。

ハンカチをしまいながらさくらがつぶやいた。


「神樹、わたしたちを殺さなかったね・・・殺せたはずなのに・・・」


少したち、悲しげにヒグラシが鳴き始めた。


第13話オワリ