ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ( Fly . ) 、 短編集* ( No.1 )
- 日時: 2011/02/16 20:46
- 名前: 天音、 ◆wkTL.Kzd2I (ID: 5RAlDtaS)
( 私は幽霊 . ) - Good-by -
▼Cast .
柊 羽月 … 15歳。妹が死んでから、暗くなり、中学入学から卒業近くまで、友達が居ない。
美羽 … 12歳と言う幼さで死んだ。幽霊となり、羽月の元へと現れる。
▼Story .
私は幽霊。実際には死んでいない。生きているが、暗くて誰にも気づかれない人間。いわゆる、『自称・幽霊』と言う事になる。中学入学前には、友達が居た羽月だが、理由があり、とても暗くなってしまった。
理由は、自殺し、亡くなった妹にあった。
家ではとても明るく、姉の羽月にとても優しく接してくれた妹。だが学校内では、とても激しいいじめに合っていた。
とても明るく接していた妹が、まさか学校でいじめに合っているとは、羽月には驚くばかりの現実だった。
そして妹の小学校最後の日。
妹は落ちた。 小学校の、20m程の高さから、自分から落ちた。 そう、自殺だ。
もう耐えれなくなったのだろう。学校に行くたびに、バケツを投げられたり、トイレの水を掛けられたり。もういやになったんだろう。
死体は信じられないぐらい血が出ていて、ぐちゃぐちゃだった。もう手も負えず、病院に配送される前に、もう亡くなった、と感づかれていたぐらいだったらしい。
その頃私は中学校に居た。妹が亡くなったと伝えられたのは、死んでからおよそ6時間後ぐらいの事だ。
本当は学校に連絡するものだが、大事にしたくない、と羽月の親あっての希望で、後から連絡された。
もっと早く連絡してくれてたら、妹に謝れたのに。
『 気づいてあげれなくて、ごめんね。』
って。聞こえなくてもいい。死んでるんだから、聞こえるはずのない妹に、ただただ謝りたかった。
出来れば、生きている間の妹に———…。
————————————
「 出席を取ります 」
羽月の担任が言った。朝のHRは、羽月に取って地獄の時間だった。
「 葉山さん——… 」
「 はい 」
ああ、もうすぐだ…。
羽月は途方に暮れ、目をぎゅっとつぶった。
また地獄だ。一瞬だけれど、地獄が来る。
「 柊さん———… 」
「 ! ! は、はい… 」
「 柊さんは、またお休みですか 」
そう言って担任は、観察ぼに、『柊、休』と書いた。
居るのに。毎日来ているのに。私は誰にも気づかれない存在。
私は幽霊。
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