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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- MAGIC ( No.10 )
- 日時: 2011/02/20 11:12
- 名前: 綾愛 雪夜 (ID: teK4XYo.)
第三話 【どこかで会える日】
アリアは、必死になって現在の状況
を把握しようとしていた。
自分の知り合いのシス・マジシャン…
それが梨音で…。
彼は重罪人になっていて…。
そして今彼は自分の目の前に居る…。
梨音の目は、氷のように冷たかった。
あの時。出会った時の目は何処に行ったの…?
そんなことを頭の中でぐるぐる考えていたその時。
「ビュオオオオオオ…!」
風…というより、空気の固まりが飛んできて
梨音に直撃した。
空気の固まりをぶつけた主は藤原美幸という、
アリアの友達(?)だった。
「ちょ…ちょっと…?アリア何してんの?!
逃げなきゃ!!!」
美幸が声を張り上げた。
「ぁ…でも…。」
アリアは手首を美幸に引っ張られながら美幸の家、
要するに民宿に連れ込まれた。
「アリア!!!!お前何してんだよ!!!!」
アリアをぶっ飛ばしそうな勢いで怒鳴ったのは、
泉川青夢という炎のマジックを持った少年だった。
「ご…ごめん…。」
アリアは今にも凋んでしまいそうな声で謝る。
でもアリアにも分かる事があった。
今、いや…さっき見たのは前の梨音じゃなく、
「重罪人」の梨音ということ。
もう、「前の梨音」の面影は何処にも無いということ。
「心が凍ってた…。」
おそらくさっき梨音にあった時に、
心を透視して視たのだろう。
アリアは、恐怖のあまり震えていた。
が、それは美幸も青夢も気付かなかった。
続く
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