ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

MAGIC ( No.11 )
日時: 2011/02/20 11:28
名前: 綾愛 雪夜 (ID: teK4XYo.)

第四話 【白風波紋〜君に出会った日〜】

そのころ町では、波紋と梨音が鎖を鳴らしながら
町の様子を見ていた。

波紋は、気に入らないものが有ったら、
すぐ「それ」を破壊する癖が付いているという事ぐらい、
町の人たちは分かり切っていた。

前、14年前梨音と波紋が帰って来た時も
同じような雰囲気に包まれた。

(裏切り者…)

(重罪人…)

アリアだけが、何を思っているのか
視る事が出来た。

「怖い…。」

アリアはそう呟いた。

そして今。

まただ。

また、前の様なおかしな気持ちが
アリアの中で膨らんでいった。

梨音じゃない人…別の梨音を見ている様な気がした。

大きなゴムが、アリアを叩き付けている様に、
ココロが痛い…。

美幸も青夢も、アリアが何かに苦しめられている
そんな気がしたが、「何か」が分からないと、
慰め様がない。

「あのさぁ。」

青夢が口を開いた。

「俺、波紋のこと知ってんだよね。」

「幼馴染みだから?」

アリアが冷たく言い放った。

その場が氷のように冷たくなった。

波紋が入って来たから。
     
               続く