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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- MAGIC ( No.13 )
- 日時: 2011/02/26 10:46
- 名前: 綾愛 雪夜 (ID: teK4XYo.)
第五話 【白風波紋〜絶望の日々〜】
「波…波紋…?」
青夢がやっと口を開き呟いた。
青夢らしくもない。
声が震えている。
「青夢…。元気だったか?」
波紋がそう言った。
誰も予想してはいなかった言葉だった。
「元気だったけど…。どうして波紋が此処に?」
予想もしていなかった言葉が
波紋の口から出てきたせいか、
青夢は、自分でも訳の分からない言葉を喋っていた。
その時だった。
「青夢!アリア!美幸!逃げて!!!!」
この町の教会のシスター…すなわち
「迷える子羊達を導く神に仕えし者」
が、民宿に入ってきた。
「ど…どうしたんですか????」
アリアが聞いた。
「梨音が暴走してる……!」
(そんな…。うそだ…。)
アリア箱の言葉を何度も繰り返しながら、
民宿の外に出た。
しかし、アリア達が見たのは、
何とも悲惨な状況だった。
草花は枯れ果て、
人々は梨音に跪き
動物たちは生きている形さえも無かった。
「や…やめてよ梨音…!!!」
アリアは夢中になって飛び出した。
そして、梨音の腕を掴み泣きながら訴えた。
「…やめてよ…梨音————!!」
アリアの叫び声は町中にこだました。
続く
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