ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

MAGIC ( No.14 )
日時: 2011/03/06 20:22
名前: 綾愛 雪夜 (ID: teK4XYo.)

第六話 【明日にかかる霧】

まただ。

アリアはまた成すすべも
無く人々を悲しませてしまった。

自分の責任だ。

このチカラ…透視のマジックが
自分に宿ってからというもの、  
アリアは明日が暗闇のように思えてしまった。

アリアが透視のマジックを持って15年。

最初は誇らしかった。

自分に人とは違うずば抜けた
才能を持った事に対して
名誉を持っていた。

でも、アリアが思っていた以上
に周りの反応は冷たかった。

(心を読まれたくない)

(透視されたくない)

アリアには全て分かってしまった。

「いやだ…。やめて…。そんな事思わないでよ…!!」

だからアリアは自分のマジックを
無駄には使いたくないと思った。

梨音の暴走を止めようとした。

でも。

かなわなかった。

いやだよ。

もういやだ。

何もかもいやだ。

こんな世界無くなってしまえばいい。

そう思い、走り出した。

オッドアイの少女がにらんで
いた事なんて知る由も無かった。

              続く