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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- MAGIC ( No.17 )
- 日時: 2011/03/06 20:19
- 名前: 綾愛 雪夜 (ID: teK4XYo.)
第八話 【幻術のモア】
昨日の騒動が何も無かったかの
ように静まりかえった朝。
アリアはセウスタルの教会に来ていた。
「ギギギギギ…」
重い木の扉を開けると、
目の前にはシスターが待っていた。
「あの…。話って何ですか?」
アリアが聞いた。
シスターが口を開いた。
「モア…。幻術のマジックを持つ
女の子が居るんですが…。
あなたは昨日、モアの幻術に
懸ってしまったんです。」
「えっ!
じゃあ、昨日の騒動は
幻覚だったんですか??」
アリアが当然の反応を返す。
「違うんですよ。
あの騒動は現実。
でも、貴方が走り出して
草原の様な場所に居たのは幻覚。」
何が現実で何が幻覚なんだろう…。
アリアは、戸惑っていた。
「貴方が梨音に縋ったその後、
すぐに倒れて病院に連れていかれたんです。
要するに、夢の様なものを
見ていたんでしょう。
でも、モアの幻術はまだまだ未熟なもの…。
だから、覚める直後に声が聞こえたんでしょうね。」
シスターは説明が終わると溜息をこぼした。
「まだモアが居たなんて…。」
その後いろいろな事を聞き、シスターと別れた。
アリアはまだ知らなかった。
自分の背後に黄色と緑のオッドアイの
幻術師が居たのを。
続く
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