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Re: しゃっとだうん ( No.4 )
日時: 2011/04/24 19:51
名前: 出雲 (ID: luklZ16E)
参照: プロローグの様な何か。


              第一章 
          閉まった私と閉めた彼


       
       赤くて、どろどろしてて、きもちわるい。
       目の前で知らないお友達が、泣いてる。

              泣いて。
 
              泣いて。

         泣いて、助けを求めてくるから。
          「いたいよ、たすけて!…」
     

       叫んで、誰かの名前を何度も繰り返すから。
       「ほくとたすけてほくとほくとほくと!!!…」


      知らないお友達の真っ赤な腕に自分の腕を伸ばした。
        紅くて、どろどろしてて、きもちわるい。

     肉が見えてる、痛々しくて、見ていられないその腕に。



          自分のもう動かなくなった腕を
         どうにか反対の腕を使って伸ばす。


       もう少しだよって。この手を掴んでって。
       
      知らないお友達は何度も頷いて腕を掴むのに。


         「北斗、何してるのかな?」
         知らない名前で自分を呼んで。
       知らない誰かは動かない腕を踏みつけて。

       意味も無いのに何度も何度も踏みつけて。


     知らないお友達はその知らない誰かに苛められて。
     でももう動けなくて。 でもお友達は泣いてて。

  
            ほっとけなくて。




           


           「次は北斗の番だよ」