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Re: 不良と人形達の奮闘日記 ( No.2 )
日時: 2011/02/20 08:56
名前: 毒を食らわば皿まで ◆jS4UFL/cLE (ID: gwrG8cb2)

「話したら長くなります。だから、お願い……」
涙目にも見える懇願。亜梨華のこんな表情は激レア物だ。流石に何か可哀想になってきた。
何が在るのか解らないけど、きっと亜梨華には大事だ。俺に助けられるものなら助けてやりたい。

怖々とその黒い宝石の指輪に唇を近づける。亜梨華の安心したような溜息が聞こえた。
唇が軽く触れると、その指輪は眩い輝きを放つ。金、赤、ピンク、緑、青……。

次々と色を変え、その色は鞄に吸い込まれていく。すると、信じがたい光景が目の前に広がった。

「ん……」
大きな瞳を開け、俺らの方をじっと見る、赤いドレスの人形。人形が動いた。発条もないのに。
「貴方は……。金剛石様!」
「ダ、ダイアモンド……?」
明らかに亜梨華の方を向いて言った。金剛石って何だよ……。コイツは壱波羅 亜梨華だろ?
「紅玉石、今は壱波羅 亜梨華と呼んで下さい」
否定しないって事は……。やっぱり金剛石と呼ばれていた時期があったって事だよな。

「信じてもらえないでしょうけど、私は人形でした」
いや、マジで信じらんねえよ。いきなりクラスメイトから人形発言されたらどう思うよ?

「私は人形同士の争いで勝者となり、勝者には報酬として人間と同じ肉体と魂を授かる事ができます」
「全ての人形が眠っていたはずですが、一体が目覚め、その一体の暴走を止めるには私だけでは不十分」
「一度勝者と成った人形がもう一度人形と戦うには、同じ人形との力の供給が必要なのです」

うわ、わけ解んねえ事一度に言われた……。頭は悪いわけじゃねえけど、んな事理解できねーよ。