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Re: 不良と人形達の奮闘日記 ( No.3 )
日時: 2011/02/20 11:15
名前: 毒を食らわば皿まで ◆jS4UFL/cLE (ID: gwrG8cb2)

「あれれ〜? 金剛石様なの〜」
「金剛石様ですぅ。何故ですか?」
「金剛石様が……」
目の前にいる、前回の戦いの勝者の存在に瞳を輝かせる動く人形達。

「今は再会に歓喜している場合ではありません。もうじきあの娘がここへやって来るでしょう」
人形達の頭を撫でながら、母親のように、そして女戦士のような眼差しで複雑そうだった。
「紫水晶ね……」

俺、滅茶苦茶忘れられてる。置いて行かれてる。お前たちを目覚めさせてやったのは俺なのに……。

「疾風。死にたくなければこれを」
俺の目の前に差し出されたのは、亜梨華と同じ黒い宝石の指輪。死にたくなければって……。
付けなきゃいけねえじゃん。やだな、指輪なんて……。
「左手の薬指に嵌めなければ効力はありませんよ」
「おい……」
一番嫌なトコじゃねえか。誰かに見られたらどーすんだよ。
「大丈夫です。選ばれし者はこの地上に貴方ともう一人」
読心術……。ヘンな事考えないようにしなきゃな……。


「さて、招かれざる客を歓迎しましょうか」
「自己紹介する暇もないの〜」
人形達は立ち上がる。すると、間もなくしてド派手に窓硝子が割られた。
割れた窓硝子から侵入してきたのは、藍色のドレスに身を包んだ、恐ろしい人形。
彼女たちには感じない、狂気を感じた。ヤバイ、と本能が告げている。


「大丈夫です。私がお守り致しますよ」