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Re: 不良と人形達の奮闘日記 ( No.4 )
日時: 2011/02/20 15:24
名前: 毒を食らわば皿まで ◆jS4UFL/cLE (ID: gwrG8cb2)

「あぁら……。皆さんお揃いで……」
喋り方一つ一つにも狂気が刻まれていて、少しでも気を抜いたら力が抜けそうな感覚。
「紅玉石、真珠石、緑玉石、青玉石……」
部屋を見回して、人形の名前を呟いていく。そして、その視線はある一点で止まった。
「それに……、金剛石様ねぇ……」
背中から黒い翼が生えてくる。悪魔の翼が、じわじわと……。簡単に言うのなら、気味が悪い。

「金剛石様さえ倒せば、全ての宝石が手に入るのでしょう? 今や麗しの金剛石も輝きを失って真っ黒……」
「これなら、勝てるかもねぇ……!?」
背中の翼が一気に伸びて亜梨華を襲う。

「ちょっ、紫水晶! 私達も相手にしろです!」
亜梨華以外の人形は完全に相手にされていない。
「手を出してはいけないよ、緑玉石」
どうやらこれは一対一のサシの勝負らしい。

「まだまだですよ、紫水晶」
信じがたい事に、亜梨華の背中からは黄金の蝶のような翼が生えて、その翼が亜梨華を守る。
「流石、前回の勝者ね……!」
これだけ激しく争っても、不思議な事に家具に傷はつかない。その方がありがたいが。
「いえ、私の翼は朽ちかけですよ」
それでも恐ろしい能力を秘めた武器だと言うのは解った。どっちも凄いが、亜梨華の方が圧しているように見える。
「ふぅん……。本気じゃないんだぁ」
一瞬で翼が折り畳まれる。それを見た亜梨華も、翼をどこかに収めてしまう。


「じゃ、またね……。次は鏡の国で逢いましょ」