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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 不良と人形達の奮闘日記 ( No.9 )
- 日時: 2011/02/24 19:07
- 名前: 毒を食らわば皿まで ◆jS4UFL/cLE (ID: gwrG8cb2)
「ただいまー。よかった、亜梨華ちゃんまだ帰ってないのね」
「長らくお邪魔しました。では……」
おい、この怪奇人形置いて帰るつもりかよ!?
「あぁ、待って。御夕飯食べて行きなさいな」
今夜はお姉ちゃん自慢のシチューよ、と材料を並べながら言う。
「そんな、御迷惑でしょう」
「いいのいいの。将来疾風君のお嫁さんになるかもしれないんだから」
姉ちゃんはすっかり俺の彼女だと思い込んでいるらしい。違うのに……。
そして、人形を俺の部屋に閉じ込めて、俺と亜梨華と姉ちゃんの食事が始まった。
姉ちゃんは「亜梨華ちゃんみたいな子だったら大歓迎よぉ。一緒に住んじゃえば?」とか馬鹿げたこと言ってる。
亜梨華も適当に答えながら、食事は進まないらしい。
「あら、美味しくなかった?」
「いいえ、とても美味しいです。でも、小食で……」
見るからに細っこいし、食べてなさそうだもんな、とこの時は思っていた。
「……ご〜は〜ん〜……」
「お腹すいたわ……」
なんと、部屋では人形達が腹を空かしていた。
「これは……、シチューの匂いです……」
「突撃しちゃう?」
青玉石のまさかの提案で、これからトラブルは尽きそうにない。
バタバタと階段を下りる跫。それは、恐怖の始まりを告げる……。
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