ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 闇マツ未来*光マツ未来 ( No.2 )
日時: 2011/02/20 15:35
名前: かにゅ ◆sJpB9ckHBE (ID: XLtAKk9M)

■□第一話*序章□■


20XX年 6月8日

「あっちー……」
夏場なのにもかかわらずロングコートのフードをかぶっている少年が、
空に言葉を吐いた。

少年————霧哉は、携帯を片手にとある場所に向かっている。
そこでいつもネットゲームをしている人たちと会う約束をしている。
「てか、ここどこなんだよ………」
周りを見回してもネトゲをしている様な人は見つからない。

「いっ……」
「気をつけろ、転ぶぞ」
背が少し高く、カーキーのズボンにワイシャツネクタイの男性にぶつかった。
「………すいません」
俺は素直に謝って、その男の行く場所を距離を置きながらつけて行った。

男が向かった先は、俺たちネトゲ仲間が待ち合わせにした場所だった。
既に俺たち以外の全員は居るらしく、俺たち二人を待っているようだった。

「遅れた、俺の名前は冠凪カイル。よろしくたのむ」
そこにいる人たちの前に立って「カイル」と言う名前の人が挨拶をする。
「本当に遅かったな」
「いんじゃなーい?まだ一人来てないしー」
柄の悪い男と、紅いミニスカを履いてる女が交互に言う。

「……俺のことか」
声を低くして、そのグループに近付く。
全員が目を見張っているような感じだった。
「……俺の名前は…卿鵡だ」
謝りもしなかった俺に全員冷めた視線を投げてくる。

「まーまー、自己紹介しませんかー?折角全員集まった事ですしー」
さっきの女が場の空気を少し和らげる。
「それもそうだな、ハイ。俺は悠月!よろしくな!!」
悠月と名乗る男は学ランを改造していて金髪に黒のメッシュを入れている。

「先ほどもしたが……俺の名前はカイル。以後頼む。まぁ、今回だけだろうがな」
カイルって言う人はだぼついたカーキーのズボンをはいている。まだ、若そうな人だ。
「私は、木無花凛でーっす。みんなよろしくっ♪」
口調がとても明るい……俺の真逆だな、とか思っているとすぐ次の人が自己紹介を始めた。

「私は……銀、銀 雪。」
先ほどまでの少し明るかった場の雰囲気が一気に凍えたような……たとえるとそんな感じの人だ。

Re: 闇マツ未来*光マツ未来 ( No.3 )
日時: 2011/02/22 20:15
名前: かにゅ ◆sJpB9ckHBE (ID: XLtAKk9M)

「……久零鉄人………ハンドルネームはウルフだ」
この人は俺が一目置いていた人物。
どのプレーヤーよりも有能で、冷静にことを進めて行っていた人だ。

「私は、特徴のない至極単純な伊藤彩乃ちゃんです」
……Tシャツジャージの面倒臭そうな格好をしている。
まぁ、全部俺の感想だけど。

「コレで全員だな?」
カイルが全員に確認する。
「いや……そこのロングコートだけ名前を言ってないぜ?」
悠月が指摘するとほぼ全員がこっちを向いた。
徐々に俺を見てる視線が「疑い」の眼差しになっていったのを俺は感じた。

「………俺はキメラといったほうが解るだろう」
俺はあえて本名ではなくハンドルネームを口に出した。
キメラの名を誰が知っているのか確認するために。

「キメラ? ……全てのゲームを協力無しにクリアした奴か?」
「………ご名答」
答えに一番早くたどり着いたのはウルフだった。
「キメラが何で居るの?」
「……主催したのは俺だ」

全員の呆気に取られている顔が面白くて……可笑しくて堪らなかった。