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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 闇マツ未来*光マツ未来 〜参照100突破しました〜 ( No.29 )
- 日時: 2011/03/03 17:22
- 名前: かにゅ ◆sJpB9ckHBE (ID: XLtAKk9M)
たまに耳を澄まして風の音を聞いたりもしていた。
だが、風の音と重なって仲間の叫び声……悲鳴も聞こえてきた。
悲しい気持ちを抑えるように、俺は心を閉ざした。
誰にも俺の気持ちが解からない様に。
俺の近くにいる人間が傷つけられるなら俺は自分の身を犠牲にしようと思った。
でも……でも、俺の周りに仲間達が近寄らなくても……何も言われなくても……俺だけは狙われなかった。
いつの間にか俺は独りぼっちになっていた。
周りで微笑んでいてくれた人たちもいなくなってしまった。
連れ去られた仲間達も全然戻ってこない……。
俺はこのときに今までは憶測で思っていた事をしっかり感じたんだ。
連れ去られた人間は殺されるんだって。
瞬間、心の折れる音がした。
心臓の近くで……ポッキリ折れて壊れてしまった心が……泣いているんだ。
俺もその場で崩れ落ちた。
微かな希望を抱いてやって来ていたのに、希望が……絶望に変わってしまったんだ。
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