ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 闇マツ未来*光マツ未来 ( No.9 )
- 日時: 2011/02/22 14:17
- 名前: かにゅ ◆sJpB9ckHBE (ID: XLtAKk9M)
◆◇第二話*悲劇◇◆
俺の一言は誰にも気づかれていない。
皆疑いもせず買い物に夢中だ。
いま俺たちが来ているのは大型デパート、何故来たのか解らないが、ここにいる。
「キメラ、あんたは……暇だからと言ってこんな事主催しないだろう?」
ドラゴンが俺に今日の事を尋ねてきた。
俺は別に何も考えていない訳ではない。
だが、言わないままだと面倒な事になりそうだと感じ、一言だけ投げ捨てる様に言葉を吐き出す。
「……アイツらと会いたかったそれだけだ」
「フードもかぶってるのにかよ」
俺の心無く言った一言に悠月まで入ってきた。
俺は二人から視線をはずして、オンナ4人をみる。
女たちは仲良く買い物を楽しんでいる。
反対に男たちはというと、俺の周りから全然離れない。
「と、言うより……なんで俺たちに会いたいと思った?」
ウルフから、質問が来た。
「俺もそれ気になる」
悠月が何故か興味を示した。
「………ウルフ、ドラゴン、ベアー、キャット、ピッグ、イーグル、タートル……どれほど有能なプレーヤーか、それが気になっただけだ」
俺の答えには「尊敬する」に値する人物か、そうでないかに分ける意味があった。
「でもよ、ウルフはプレーヤーの中で一番頭が良いんじゃねぇの?」
悠月は、ドラゴンよりウルフの方が頭がいいと思っているらしい。
俺の見解としては、間違いなくウルフが一番頭はいい……。
だが、頭がいいだけではこのゲームをクリアすることは不可能だ。
だから、ウルフはドラゴンと手を組んでいる。
ウルフには、物事を冷静に判断できる力となにが起こっても冷静でいられる力がある。
反対に、ドラゴンには直感でいける力と物事を究極の選択肢まで持っていく追求する力を持っている。
この二人が組むとほぼ敵は無い。……と俺は考えている。
「イーグル、それは違う。俺の頭の回転の速さは誰にも負けないだろうが、ドラゴンには追求していく能力がある。最後に決定打をたたき出すのは俺ではなくドラゴンのほうだ」
ウルフが考えるごとをしながらイーグルの疑問に答える。
「……でも、俺の足元には及ばない」
俺が呟く。誰にも聞こえない声で……それでいて、少し悲しい声で。