ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの彗星 ( No.10 )
- 日時: 2011/02/25 23:28
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: http://ameblo.jp/pokemon19/
村が見えてきた。辺りは、すっかりオレンジ色に包まれている。トゥルースは嬉しそうに走っていく。一方、クロノは荒い息を吐いたり出したり。大人と子供の差はこれにある。
「トランクイオの村だ!こっちだよ、クロノ!」
「・・・あぁ。」
トゥルースについていき、一軒の家に着く。トゥルースが家に入って行く。だが、人っ子一人いなかった。トゥルースは、辺りを見回すが誰もいない。クロノの勘が働く。
(・・・おかしいぞ。)
クロノは、周りを見渡し何か荒らされたあとがあるかを確かめたが何も無い。ということは、外で連れ去られたか脅されてついていったか・・・。
「トゥルース・・・。」
クロノは祖父を探すトゥルースに声をかけた。
「お前のじいさんは、今ここには絶対に居ない。だが、この村のどこかに居ることは確かだ。」
「・・・え、どうして?」
クロノは井戸に指を指した。すると、周りには三人ほどの男が井戸を囲んでいる。
「ボロい井戸をあんなに警備する必要があるか?」
「な、ない・・・。」
「だろ?じゃあ、じいさんは地下に居るんだ。」
「地下に・・・。」
トゥルースは下を見て、そう呟いた。クロノは家を飛び出し、周りを見渡す。そのあと、トゥルースのほうを振り向く。
「助けたいなら・・・ついて来い。」
トゥルースは、大きな本を握り締め、キリッと前向いた。そして、家を飛び出した、その時!井戸を監視する男たちがトゥルースを見て一斉に走り出す。
「いたぞ!捕まえろ!」
クロノは「しまった!」と声をあげ、走り出す。が、トゥルースは本を握り締め抱きしめる。
「君たち・・・!僕のおじいちゃんを何処へやったんだ?!」
「ええい、五月蝿いガキだ!ひっ捕まえろ!」
トゥルースは指を前に出し、魔力を溜める。冷気がただより、男たちは立ち止まって様子見をしている。
『氷河(グレイシア)!!』
トゲトゲの氷の塊が、男たち目掛けて飛んでいく。足早に逃げていくが、氷が早く背中に刺さる。たちまち男たちは全員倒れてしまった。
「ふう、なんとかなった。」
「ほー、やるじゃん。」
クロノが腰に手を当てて、無表情でトゥルースに言った。少し顔を赤くするトゥルース。
「さて、お前が倒してくれたし・・・井戸から侵入できるな・・・。」
クロノは先が暗い、井戸を見つめる。トゥルースは息を飲み、少し怖くなる。
「なんだ、怖いのか。じゃあ、俺の手、掴んでろよ。絶対に落ちないようにしてやるから。」
クロノは小さなトゥルースの手を掴んで井戸へ飛び降りた。猛スピードで落ちて行き、ちゃんと着陸した。
「す、すごいね・・・。」
「目が効くんだよ俺は。」
上から、ペットの鳥がついてきて飛んでくる。トゥルースはその鳥を見て、クロノに聞いてみた。
「ねえ、あの鳥・・・なんていう名前?」
「・・・フォーコっていうんだ。」
「フォーコ・・・か。かっこいい名前だね。」
クロノたちはろうそくが導く地下の奥へと進んでいった。