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Re: 僕らの彗星 【参照300突破!返信100達成!!】 ( No.102 )
日時: 2011/03/31 20:35
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
参照: 壁とでも話してろ(やーなこったパンナコッタぁ!ポンデライオンーww

ジャスティスは広い城の廊下を駆け抜ける。こんなに広い城内は絶対に迷子になる。それを覚悟でうろ覚えの城を走った。

そして後からは、クロノが着いて行く。アリスに勝手に行くようにと命令され渋々行くことに。自分も城内なんてうろ覚えなのでジャスティスの勘に頼るしかない。

しばらく長い廊下を走れば、大きな絵画。ジャスティスはその絵を見て立ち止まる。何時間か前に見たような絵。

「そうだ……。俺たちはここに落ちたんだ……。」

その後からクロノが走ってくる。クルリと振り向き、ぜぇぜぇと荒い吐息を出すクロノを冷たい目で見つめる。そんな目の刃がチクリと刺さったのか、荒い吐息をやめて自然にそこらへんに飾られている花を観察。

さらに冷たい目で見られたクロノは、頭に怒りマークをつけて彼に怒鳴り散らす。

「なんだよ……。さっさと、落ちろ……!」

ジャスティスは小さくため息をついて、絵画に触れた。すると、人間一人分の長方形の穴が開き、冷たい風が下から吹く。ジャスティスは穴に乗り上げ、飛び降りた。その後姿をクロノは見届ける。

(あ、俺も行くのか。)

高いところに慣れたクロノは迷いもなく、落ちていく。暗いので、落ちていく先が見えない。なんとなく嫌な予感がした。それはズバッと的中。

下に倒れこむジャスティス。おそらく着地に失敗し、こけたのだろう。上からも悲鳴、下からも悲鳴。悲鳴が共鳴し合い、止んだと思えばドスッという痛々しい音。

「ぐっ……ぐぅぅっ……!」

「お前、着地に失敗か?ダサいぞ。」

無表情で、そんなことを言われたジャスティス。屈辱で仕方ない。そんなことはとっとと忘れようと、階段を下へ降りていく。コツコツという足音がこだまする。

仮面の男と戦った部屋に出てきた。砂埃がまだ、少し舞っている。ジャスティスたちから見て右側は仮面の男が倒れている。その中央には赤紫の青年、黒怨が倒れている。その左側には白髪の男ノーテに無事かを呼びかけるスプリングとロッタ。

「ノ、ノーテ!!」

ジャスティスは今回のことも忘れて、ノーテの体を揺さぶる。だが、何も応答がない。一方、クロノは仮面の男を隅々まで調べる。盗賊の彼にとってはそんなこと簡単である。

「んー、ないな……。」

そんなことを言いながら、色々と調べていると---------------

コロンッ

硬い何かが落ちた音。その音がしたほうを見ると、パーチェが持っていた石と同じ石。だが、彼女のよりこの石のほうが強く光っている。

それを掴もうと触ろうとした。すると静電気のようにバチッと手を刺激させる。吃驚したクロノは手をブンブン振って、電気を払う。

「痛ェ……。なんだこれ……。」

「ふっふっふっふ……。吃驚しましたかぁ?」

苦しみに耐える掠れた声が仮面から聞こえる。男が石に手を伸ばす。クロノは静電気のような痛みをトラウマとして残してしまっているが、そこは我慢して蹴り上げる。足に痛みが走り、ツンツンと片足とび。

「とにかく……、お前が原因ってことは分かってるからな。これ、なんの石だ?」

「ケッケッケッケ!姫様が持っておられるのは……感情の石。これは……力の石ですよ。貴方方は……召喚したのは姫様だと思ってたんですか〜?」

「そんな感じだ。」

「ケッケッケッケ!!!」

さらに大きな声で大笑いする。後ろに居たスプリング、ロッタ、ジャスティスもそれに気づき後を振り返る。

「姫様は、召喚をしておられない……。姫様のお力を借りて、私が召喚したんですよ……。ただ、力を共有したので感情の石を持っておられる姫様も指示することができる……。感情だけね……。」

さっきから、クロノにとってそんな難しい話は耳にはないっていない。気になることは唯一つ。

パーチェのことになると、丁寧な敬語になることだった------------