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Re: 僕らの彗星 【参照300突破!返信100達成!!】 ( No.103 )
日時: 2011/03/31 21:10
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
参照: 壁とでも話してろ(やーなこったパンナコッタぁ!ポンデライオンーww

「にしてもよ。感情だけだろ……?そんなん、城に必要かよ……?」

「必要ですよ……。それがあれば、力を上げることが出来ますしね……。ほら!相手に怒りの感情を抱くとより、殺めたくなりませんか……!?それと一緒です。ですが、姫様が優しさの感情を出すと……どうです?力は大幅に下がる。今もそうですよ……。怒りではなく優しさ。怒りならばこんなに動く速度は遅くないですよ……!」

(じゃあ、参ったな。コイツが動かしてるなら……止めるとなっては、難しい話だな。)

クロノは腕組みをして、仮面の男を見つめる。そういえばとばかり、さっきから気になることがまた出てくる。パーチェのことになると、敬語になり弱弱しくなる。

(そうだこれだ……!)

クロノはコツコツと歩き、割れる窓からアリスとパーチェがいることを確認する。そして、双剣を取り出し、大きく振った。

風の刃が、パーチェに向かって飛んでいく。ジャスティスたちは大きく目を見開きクロノを見つめる。

「ひ、姫様!!!」

そんな戸惑いに戸惑った声が響く。声の主は、その仮面の男。あわあわとなり、窓へと走る。だが、パーチェは腰が抜けたように尻餅をついている。それを立たせようと、手伝うアリス。

「あーぁ。外した。次どうよ?当たるぜ?」

「な、何だと……!姫様をどうするおつもりです!!」

「言ったろ……?弱いやつだし、殺ろうってわけだ。」

クロノから発せられる、言葉。ふつふつと煮える怒りの音。ジャスティスは立ち上がろうと足に力を踏ん張った。だが、クロノの手は待てとばかりに少し立っている。

「でもなぁ、俺盗賊だしな……。交渉っての好きなんだよ。どうだ?一つやってみようぜ。俺からの条件。この城、止めろ。そんだけだ。ちょっとでもずるいマネしてみろ?殺すぜ?」

仮面から焦りの顔が浮かぶ。クロノの顔は無表情。スプリングは初めて彼の怖さを知る。仮面の男は「グッ」と小さく呟いた。そして頷き、

「分かりました……。止めましょう……。」

クロノが蹴り上げた、パールを拾い上げ、力を込めた。すると、城から地響きが消え正常なる。と、いうより普通の城へと戻った。淡い光りも消え普通の魔法石に戻った。

「よし。交渉成立。ご協力、感謝な。」

そういって、男を通り過ぎた。クロノは男の手を見た。石を握る力が弱い。その隙を突き、石を引っ手繰った。しばらくボーっとしていたが気づいたようにはっとし、クロノの肩を掴もうとするが、ヒラリと避けられる。

「おい、行くぞ。逃げるぞー!」

ジャスティスはクロノの後から、追いかけてくる仮面の男が見えた。ノーテの肩を組む。ロッタも組んで、スプリングに指示をする。

「スプリング!壁を爆破して!」

「はい!!」

手を払うように、振る。すると、壁は小爆発を起こし粉々になる。その壁からクロノたちは飛び出した。仮面の男も後を追って飛ぼうとしたが、地面に足がくっついて飛べない。何故だと、地面を見るとネバネバの液体が固まって、足とくっついていた。

その後、飛んでいく後姿を見るとノーテの口の歪みが少しだけ見えた。

「くっ……くそっ!!覚えておいてくださいね!!!」

口の歪みを見て、悔しがる男と裏腹に、黒怨は嬉しかった。それを見たあと、黒怨は安心し、意識を失ったそうだ。