ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 僕らの彗星 ( No.11 )
日時: 2011/02/26 23:10
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
参照: http://ameblo.jp/pokemon19/

一人の老人が鉄格子に入れられている。普通なら逃げ出そうとしたり錯乱状態になったりするものだが、違った。平静とし、平気な顔で誰もいない壁を見つめていた。

「ようよう、じいさん。話す気になったか?」

「・・・いんや。これっぽっちも。」

老人は腕を組み、そっぽを向いた。鉄格子の前に来た男は舌打ちをして出て行った。

「喋らんぞ。喋って溜まるか。これを言ってしまえば、あやつら・・・何をしでかすか。」











一方、地下道を進むクロノとトゥルース。所々にはろうそくが立ててある。おそらくここが拠点だろうと予想した。

「なあ、トゥルース。それ・・・、そのでっかい本。なんだそれは。」

「えっ、これ?これは、大昔の大魔法使いが書いたといわれる貴重な本だよ。これをおじいちゃんに届けるようにって母さんに言われたんだ。」

「・・・ふーん。貴重か。言っとくが、俺は盗賊だぜ。いつでも引っ手繰れるぞ。」

「えっ・・・!や、やめてよ〜。」

少し怯えるトゥルース。クロノは淡々と歩いていく。すると、奥から人の足音が聞こえてくる。クロノは奥を睨みつけ、トゥルースを後に隠した。

「いたぞ、捕まえろ!!」

脆い甲冑を着て、鋭い剣を持ちながら走ってくる男の集団。クロノは「・・・多っ」と声を漏らすが、すかさず腰につける双剣を取り出した。

「かかれっ!!」

一気に男たちが襲い掛かってくるが、クロノも怯えず男たちの下へ襲い掛かった。

双剣が素早く舞い、たちまち男たちをなぎ払っていく。乱れ打ちされていく男たちを見てトゥルースは呆然と立ち尽くす。

そして、男たちは全滅。たった一人でクロノは倒したのだ。双剣を腰にしまってトゥルースのほうを見る。

「行くぞ。」

「・・・えっ、ああ・・・うん。」

トゥルースはいろいろと頭が痛くなる。強い男と出くわして、そのペットが神鳥のハーフ。しかも、その武器・・・

「オリハルコンじゃない・・・?」

「アクアマリンのな。なんだ?よくこんな高価な物持ってるなってか?」

「いや、そうじゃなくって!オリハルコン自体、高価どころじゃないよ!神の石だよ?!」

「へぇー・・・元から持ってたから知らなかった。」

「も、元からぁぁ?!」

トゥルースは目を丸くし、本を落とす。落とした本はトゥルースのつま先に落ちる。そして「ぎゃっ」と悲鳴をあげ、つまさきをさする。

「・・・結構ドジなのな。」

「う、生まれつきだよ・・・。」

片足でピョンピョン飛びながら、地下道の最深部へと目指す。














一方、地図をなくし困り果てた二人の男。振り向けば、金髪の男が片手に地図を持っていた。

「だ、誰や・・・あんたは。」

「・・・失敬。俺は、魔女撃退組織のジャスティス・ホークアイだ。お前たちは・・・魔女と接触したそうだが?」

「よ、よう知ってはるなぁ。」

白髪の男は頭をポリポリ掻いた。

「ほな、僕らも名乗らんと。俺は、ノーテ・ステッレ。」

「・・・ランド・ストーム。」

ジャスティスはコクリと頷き、地図を白髪の男、ノーテに手渡した。だが、ジャスティスはカッと目を開け、

「その代わり・・・!!組織に入ってくれるか・・・?」

と、ノーテに聞いた。銀髪の男、ランドは目を丸くし呆然とする。ノーテは「えっ?」と意味がわからずそう言った。

「このままでは・・・俺たちが危ない。魔女はもう復活しないと判断され、この組織は不要とされた。そして俺たちは2年前バラバラになった。だが・・・今、何らかの影響で魔女が復活した。そのため、またこの組織は作られたんだが・・・音信普通になったりして前の仲間があまり集まらなかった。そのため能力を持ったものを集めて俺たちは各地を転々を歩いているんだ。おねがいだ・・・このままでは・・・!」

「ふーん。そかそか。どうするよ、ランド。おもしろそうやん。やってみぃひん?」

ランドはそっぽを向き、腕組みをする。ノーテは苦笑いし、答えた。

「ええよ。参加したるわ。」