ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの彗星 【参照300突破!返信100達成!!】 ( No.113 )
- 日時: 2011/04/01 22:34
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: 壁とでも話してろ(やーなこったパンナコッタぁ!ポンデライオンーww
「それを、この街の一番高いところで散らすんだ。」
「は、はい!分かりました、頑張ります!」
「そうだな、一番高い場所って言えば……あの時計塔。見えるだろ?」
満月と重なって見える時計塔。後ろに大きな満月があるため、あそこだけもの凄く光って見える。パーチェはコクコクと頷き、瓶を握り締める。
「あの、天辺で……お願いだ。」
目をキリッとさせ、家を飛び出す。ロッタたちがその後姿を見ようとその後を見渡すが……誰も居なかった。
「ちょっとぉー!お姫様だよ、あの子!一人にさせちゃ!!ね!!」
「はい!同感です、急ぎましょう!」
「おい、毒舌!お前より、弟がいいよ!!バーカ!!」
そうアリスは言い残して、ロッタと共にパーチェの後を追った。マティーナはプイッと顔を逸らしふくれっつらをする。
「誰がバカだ。ノーテのほうがバカだ……。」
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人ごみをかき分け、時計塔を目指す。大きいからか近くに見えたが、外に出てみるとそうでもない。かなり遠く、女一人では結構かかる。しかも、人と何度もぶつかって乱暴な表し方だが邪魔である。
パーチェはどうしようと走りながら考えた。ふと、屋根を見ると……子供の頃のことを色々と思い出した。幼少期、城から抜け出して屋根をよじ登って、屋根で遊ぶ他の子供たちと遊んだ。
「そうだわ!屋根!屋根よ!」
その頃の力がまだ残っていたのか、簡単に登る。ステイシャインズのように屋根の道がずっと続いている。ずっと辿れば、時計塔へと続いていた。
「ラッキー!このまま、行こうっと!」
スキップで時計塔へと走る。思わず自分の任務も忘れてしまうほど。昔のことを思い出して、楽しかったようだ。
一方、ロッタたちは……人ごみを掻き分けるもののぶつかってぶつかってすいませんの繰り返しである。ちゃんと許してくれた人も居たが、因縁をつけられそうにもなったりとこちらはかなり重労働である。
「んーもう!!パーチェ!!何処よ!!」
「お、落ち着いて……。アリスさん。大丈夫ですよ。きっと。一度、決めたことはお姫様は-------------------必ずやり遂げますから。」
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一方、マティーナは気晴らしに外でタバコをすっていた。このルーナピェーナは365日ずっと満月が見える街。そんな綺麗な街に住むことがずっと夢だった彼は今が一番幸せである。
「-------------汚れか?」
「うっわ。酷いなぁ、マティーナ。汚れって……、あんたとはちゃいますよ。」
「かっ。可愛くない弟だな。」
「あんたの血筋ですわ。あんたも十分可愛ないしね。」
角から彼と全く同じ顔の青年がひょっこり出てくる。煙草を地面に捨てて、踏む。
「ノーテ……、お前やっぱり職業忍者にしたのか。」
「うん、せや。お父ちゃんみたいになりたかったんや……。」
「そっか。あ、それともう一個。あの子と会えたのか?黒怨と。」
「会えたよ。すっごい……嬉しかったわ。」
満月を見つめて、ノーテは万遍な笑みを浮かべてそう言った。