ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの彗星 【参照400突破!返信100達成!!】 ( No.118 )
- 日時: 2011/04/03 21:53
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: 壁とでも話してろ(やーなこったパンナコッタぁ!ポンデライオンーww
一方パーチェは時計塔に着いていた。ギュッと薬の瓶を握り締める。時計はもう午前0時に行きそうだ。目を瞑って、祈るように手を握り合わせる。
(お母様……、今だけでいいんです。10秒でも一瞬でもいいんです。私に力を貸してください。)
パーチェは目をバッと開き、時計塔の中へと駆ける。それと同時に、午前0時を知らせる鐘の音がルーナピェーナに響き渡った。長い螺旋階段を駆け上がる。
このまま順調にいけると思われた。だが、それを阻止すべく一人の女がパーチェの前に立つ。その女を見たパーチェは目を大きく見開いた。何故か。それは彼女の……
「-------------お母様……?」
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一方パーチェを追う、アリスたち。鐘の音を聞き、スプリングはホッとしたように笑う。ロッタはスプリングの方を向く。
「無事に着いたんですよ、時計塔に。ね、お姫様って結構強いでしょ?」
「そうだね!ちょっとナメてたかも。」
アリスは苦笑いしながら、頭をポリポリと掻く。
「しくじるんじゃないよー、パーチェ!」
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パーチェの母、グリド・ステイシャインズ56世は手から紫色の球体を飛ばしパーチェに攻撃するのだが……
これは紛れもない魔法。だが、グリドは魔法なんて会得しておらず使えるはずがないのである。
「お母様!ど、どうして魔法を……?」
「お黙り!あなたに知る必要はないわ。さあ、大人しく着いてきなさいこちら側に!」
「こ、こちら側……?一体、どういうことですか!」
グリドは高笑いをする。こちら側……と、いうことは多人数で動いていることは確か。単独ではない。
「最後の愛情よ、パーチェ。魔女を復活させたのは私たち……『漆黒の使者』よ。」
「し、漆黒の使者……?」
「えぇ。魔女を完全復活させ、支配下に置く……。そして、魔女の性質を利用してこの世を支配するのよ!それが私たちの目的。ステイシャインズが破壊され、死んだはずだったけど……アビディタに救われてね。さらに欲望の奥深さを思い知ったわ……。」
パーチェは自分の母親がこんな風になってしまい、悲しくなる。本来はグリド自らが悲しむはずなのだが、パーチェが悲しくなる。
「さっ、お話はお終い。あなたたちはアディビタにとって邪魔な存在。それに菌を破壊させるわけにはいかないの。何故、敵同士なのにこの話をしたか分かるかしらパーチェ。優しい母親だからじゃないのよ。」
「えぇ、分かってますよ。」
パーチェはじっと下を俯き、目玉だけグリドに向けている。少しうろたえるグリド。だが、誤魔化すためクスリと笑う。
「お母様、今の状況から見て私はあなたを倒さなければなりません。と、いうよりもうあなたはお母様ではない。私の知ってるお母様はもっと純粋な心の持ち主です。そう簡単に------------殺されるわけには参りません!!」