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Re: 僕らの彗星 【参照400突破!返信100達成!!】 ( No.126 )
日時: 2011/04/06 22:05
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
参照: 壁とでも話してろ(やーなこったパンナコッタぁ!ポンデライオンーww

------------------------パンパンッ

父、母……即死。その前に俺とロッタは両親に背中を押され、兵士の隙をついて影へと隠れたのだ。家の裏は暗い森に繋がり、魔物も出るし、ここなら兵士も近づかないだろう。走っていたところに最初に出てきた銃声が聞こえたのだ。

ロッタはピタリと立ち止まって、国のほうを振り返る。足を国へと戻る道へ一歩踏み出すが俺は腕を掴んで戻ることを拒否した。

「お母さん……お父さん……!」

「五月蝿い、黙れ……!気づかれたら、どうするんだ……?お前だけ殺してもらうか……?!」

「兄貴……?」

ロッタは泣きそうな顔で俺を見た。なんだ?どれだけ俺は腐ってた?死をロッタにまで振りかけようとしたのか。呆れて……笑いがこぼれる。それも嘲笑だ。

すると奥から、草を踏む音が聞こえてくる。とにかく、ロッタが泣き喚かないように茂みに隠れて、通り過ぎるのを待った。だが、その足音は俺たちがいるところで止まった。横でロッタは体を震わし、じっと上を向いている。

そして茂みを、かき分けて……俺たちの顔を見たのは人間。それに軍服。敵かと思った俺はスッと立ち上がって言った。

「殺せ。」

兵士はプッと笑って、頭につけるヘルメットをとる。それは茶髪で赤い瞳を光らせて言うのだ。

「お前みたいな生意気な野郎は殺したいが……生憎俺は人を殺さない主義でね。兵士になったのは良いが……そこらへんでぐーたらしてるんだよ。」

「何しにきたんだ……!殺さないなら……その銃を貸せ!」

「--------酷い子供だな。死も知らないのか。じゃあ、着いて来い。」

俺とロッタを掴んで、何処かへと連れて行ってしまった。気づけば、俺はベットで寝ていた。その横に、あの茶髪の男が煙草を吸いながら俺を見つめている。

「よう。起きたか。」

「何のつもりだ……。」

「今日からお前は兵士だ。兵士。それで俺がお前の上司。分かったな?」

「と、いうことは……俺が人を殺すのか。面白い。」

茶髪の男は窓に煙草を投げ捨て、唾で煙草の火を消した。

「俺は、ウェイト・ストロガノフ。ウェイトさんって呼んでくれ。」

ふざけるなと思った。気ままで普通な人生がこんな男にぶち壊されるかと思うと腸が煮えくり返る。文句を言おうと口を開くが……

「さぁて。訓練だ。ボサッとすんな!」

俺の首根っこを掴んで、運動場へと持っていかれた。服を見れば、軍服を着ているし、グランドに並ぶのは少年兵。そいつらはプププと笑いを堪えながら俺を見ている。

それも仕方ないか。当時俺は5歳。周りは皆10代前半や一桁後半。俺はチビすぎて馬鹿にされたのだろう。




そこまで笑うのなら、やってやるよ。それから、殺してやる。