ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの彗星 【参照400突破!返信100達成!!】 ( No.128 )
- 日時: 2011/04/07 20:47
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: 壁とでも話してろ(やーなこったパンナコッタぁ!ポンデライオンーww
「思い出したか?」
「さぁ!!渡せ!!」
ジャスティスは眉間にしわをよせ、険しい顔をし、頑張って思い出そうとしている。彼はそこから記憶があやふやで覚えていなかった。渡せといわれても……。
途中までそこまで思い出せていたのだが、最後のほうまで来るといきなり忘れてしまったのだ。兄弟はそんな顔をするジャスティスを見てカッとしたのかレバーを荒々しく引いた。
ジャスティスの体中に電気が走り、悲鳴を上げる。エネルジアは大笑いして胸倉を掴む。
「早く言えよ……!お前の中に創造神テスカトリポカがいるんだからなぁ!!」
「テスカトリポカは頭の中で創造したものを実体化させる!!例えば……頭の中で世界の破滅を創造すると……!!」
ジャスティスに罪悪感が突き刺さる。そんな名前の神なんて初めて知ったことも、そんな神が自分の中で眠っていることも。今のジャスティスにとっては怖い存在だった。
尚更、渡さないと思ったジャスティスは足先に落ちる自分の二等銃を足で引っ掛け、自分のほうへと向ける。腕だけ輪がついていたので銃をとり、兄弟の足に撃つ。撃たれたため、足の力を無くし、崩れ落ちる兄弟。
そして、自分の輪とクロノの輪に向け撃ち自由になる二人。スッと立ち上がったクロノはジャスティスを見つめ、首をクイッと兄弟の居るほうへと向ける。コクリと頷いた彼は銃を兄弟に撃ち込む。
服は血だらけで、「うっ……ううっ」としか言葉を発せられないようになってしまう。目には涙を浮かばせ振るえている。
「大丈夫だ。昔の俺とは違う……。死なないくらいに撃ってあ----------」
言葉を途中で切らせ、手に持つ銃を落とし、胸を押さえ苦しみだす。後で見ていたクロノはジャスティスに駆け寄って背中を摩りながら顔を覗き込む。
「大丈夫か……?おい……しっかりしろ……!」
ジャスティスから出る微量の風。人間からは風なんて出ないのに、おかしいと思ったクロノは何か出るぞと思い、離れる。その前で兄弟たちは怯えながら抱き合っている。
最初が胸だったのが、首を押さえている。何か出そうとしている。クロノはジャスティスの背中を思い切り殴る。
すると、人間と思えない力で腕で弾かれ、クロノは壁へと飛ばされていく。頭から血が出、腕で拭って舌打ちをする。ジャスティスの黄色い瞳は黒に染まっていく。彼とは全く違う何かが憑いたのだ。
ユラユラとしながら、クロノへと近づいてくる。彼が近づくと、クロノの体も硬直し、動かなくなる。ここまでか、と思ったクロノは目を瞑る。
もう一度目を開ければ------------------
シルクハットの男が、剣を構えてジャスティスの頭上へと落ちていくのだった。