ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの彗星 【参照400突破!返信100達成!!】 ( No.131 )
- 日時: 2011/04/08 20:55
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: 一人ぼっちの夜〜
男に気づいたジャスティスは、サッと避けた。男はそのまま地面へ落ちるかと思いきや、体勢を立て直し綺麗に着地する。
「……もう直ぐ夜明け。早く終わらせてください……。きっと助けますから。」
男はシルクハットに手をつけ、剣を構えそのままジャスティスに襲い掛かった。クロノは「おいおい……」と顔を小さく横に振って呆れる。男は全くジャスティスに当たらないところで剣を突き刺した。
すると、ジャスティスの背中から血が噴出し四つんばいになる。クロノは目をパチクリさせ男を見つめた。男はジャスティスの隙をつき、腹を思い切り殴る。
ジャスティスは「ぐふっ」と唸り、口から何かを吐き出そうと喉を押さえて苦しんでいる。
「……喉に何か入ってるのか?」
「うぐっ!!」
コトンッと音がし、出てきたのは真っ黒い石だった。男は手に持つハンカチで石を綺麗に拭き取ってクロノに渡す。
「黒曜石です。彼の喉に入っていました。」
男は電気にかざす。黒曜石には神の紋章が描かれていた。
「魔法石です……。おそらく、さっきの行動も黒曜石に眠る神獣が彼の体を操ったのでしょう……。理由はわかりませんが……。」
クロノは黒曜石を受け取って、ジャスティスを見る。彼の瞳は黒から黄色へと変わっていく。そして崩れ落ちるように倒れる。クロノは重い体を持ち上げ、ジャスティスに駆け寄る。
その後で、男は二人を見届け帰っていく。それを見たクロノは男を呼び止め、聞いた。
「お前……急いでて悪いけど……名前、教えてくれ。」
「エルメス・ド・テイラー。ただの奇術師です。それでは、お元気で。」
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しばらく経って、ジャスティスは目覚める。クロノはじっと見つめ、「大丈夫か?」と声をかけた。コクリと頷き、胸を摩るジャスティス。
「何だ?スッキリしたような気がするのだが……?」
「だろうな。」
クロノはジャスティスの喉から出てきた黒曜石を見せた。ジャスティスは不思議そうに手にとって電気にかざす。大きく目を見開き、クロノと顔を見合わせた。
「魔法石。お前の喉から出てきたんだってよ。」
「お……俺の喉から?」
「……お前、何も覚えてないのか。」
「何をだよ。」
クロノはため息をついて、立ち上がった。その後、兄弟の方を見る。寝ている。体を揺すっても起きない。兄弟達の手は結び合っている。ジャスティスは落ちる銃を手にとって、兄弟たちを見た。
「帰るぞ。」
「あぁ。疲れた。」
Episode7「軍人の記憶/眠る神獣」END