ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの彗星 【参照400突破!返信100達成!!】 ( No.134 )
- 日時: 2011/04/10 20:24
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: 上を向いて歩こう 涙がこぼれないように
「ひっ……酷い目にあった……。なんでだ?」
壁を手につきながら、暗くて少し臭い地下を歩く。水が横に流れており、目を凝らしてみると濁って臭い。しかし、さっき落ちたはずのクロノがいない。またトラブルかと呆れる。
「あの……。」
後から声がする。少女の声のようだ。後ろを振り返って「なんだ」と返事をした。
黒髪のロングで藍色の帽子を被っている。とても可愛げがある。
「あそこにいるのは……彼方の友達?」
指を指すほうを辿ると、不機嫌そうに頬を膨らますクロノがいた。ジャスティスは「あっ!!」と大きく声を出し、クロノへ駆け寄った。地下道なため、ガンガンと声が響く。少女は耳を塞いで様子を窺う。
「はあ……!またトラブルかと思ったじゃないか。もう、こりごりだぞ!」
「お前のほうが大きなトラブルだっただろ……。俺は関係ないね。」
少女はコツコツと歩み寄って、「よかったね」と微笑んだ。その後顔を曇らせ「それより……」とため息と混じったような声で遠くを見つめる。
「……どうやって抜け出そうかかな。」
「そうだ。お前、なんでこんなとこにいるんだ。」
クロノはすっと立ち上がって腕組みをする。少女は壁にもたれて、訳を話す。
「私、新米の旅人で……まずはトレジャーハントかなと思ってお宝を探してたの。でもマンホールに落ちちゃって。」
「そうか。まあ、今はとにかく協力だ。一緒に抜け出そう。」
「ノーテたちも待ってるしな……。」
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一方、ノーテたちはクロノが言ったとおり待っていた。イライラしながらアリスは貧乏揺すりをしている。そして、早く切れたのは……ロッタだった。
机にガンッと怒りをぶつけた。木製の机はバキバキに割れてしまう。あまりの破壊力に目をぱちくりさせる4人。わなわなと震えるロッタ。
「ほっていこう!」
「えええええっ!?」
それは大胆すぎるだろうという気持ちを込めたええー。ロッタは腕組みをして眉間にしわを寄せる。
「だって、兄貴……クロノ助けに行ったのに帰ってこないじゃん!!どっか道草食ってるんじゃないのっ!?いいよ、あんな兄貴!!」
「いやいや……でもやな……。」
「もう、あたし行くから!!」
ドアを開けるのが面倒くさいので、蹴って壊して出て行った。目を点にし呆然と立ち尽くす。スプリングははっと首を振って皆を我に返す。
「大変だよー!私たちも行こう!!」
年上への敬語も忘れて、パンパン頭を叩く。あんな凶暴で危ない女の子をほっていくのはいけない。それに今はイライラしている。街中で喧嘩を売られたら殺しかねない。急いで階段を駆け下りて、玄関へと出たがいない。ご主人にどこへ行ったか聞いたのだが……
「す、すいません……私……不覚にも居眠りを……。」
ハンカチで汗を拭きながら頭を深々と下げて謝る。ノーテは大きくため息をついて「ええよ」と最後に言葉を残し、一同は宿をあとにした。