ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの彗星 【参照400突破!返信100達成!!】 ( No.135 )
- 日時: 2011/04/10 21:28
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: だめだ。心臓がバグってる。
「お宝ね……。どんなお宝が欲しかったんだ?」
「えっ……?」
少女は少し戸惑ったが、少し笑って「綺麗なもの」と答えた。盗賊のクロノにとってはもの凄くくだらない答えでフッと鼻で嘲笑した。次にジャスティスが質問。
「お前……名前は?何処から来たんだ?」
「えっと……名前はミュゼット・ファウン・エミルワイス。何処から……森が近くてのどかな村?かな。」
苦笑いしながら、暗い地下を歩く。そして何も無く、沈黙だけが過ぎていった。そんななか、奥に白い光りが差し込む。出口だ。「やった!」とミュゼットはタッタッタと走っていく。クロノとジャスティスは後を追って走る。
出てきたところは、全く知らないところ。なんだこことキョロキョロ辺りを見回す。森が生い茂って、近づきがたいが……それにノーテたちの姿も見当たらない。ということはノーテたちと全く違う場所へとクロノたちは来てしまった訳だ。
探したいが……今は健闘を祈る。それしかできない。いつ魔女がこの世の破壊を浸透させるかは分からないが今は倒すために生き延びて倒す方法・居場所を見つけ出す。それが自分たちの目的。死ぬわけには行かない。
「ねえ。そういえば彼方達の名前……聞いてなかったね。なんていうの?」
「俺はジャスティス・ホークアイだ。」
「クロノ・ブライト……。」
「ク、クロノ……?」
ミュゼットは目を少し見開き、少し驚いた様子でクロノを見つめる。クロノは目を細くし「なんだ」と冷たく言った。ミュゼットはそれで目が覚めたのか苦笑いして、「何も無いよ……」と言った。
ジャスティスも最近いろいろとクロノに気になることがたくさんでてきた。
(こいつ……まさか本当に……。)
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一方、ノーテたちはというと……
いなくなったロッタを捜索していた。宿の周辺を探して、フタなしのマンホールを通り過ぎ、また宿の前へと戻ってきた。やっぱり、もうルーナピェーナにはいない。
「じゃあ……もう、外?」
アリスが心配そうに、出口のほうを見る。ノーテは信じたくないが、コクリと頷く。パーチェは外のほうを指差して「行きましょうっ!」と声を張り上げてずんずん進んでいく。
「ま、待ってー!次、あんた居なくなっちゃうのー!?」
「パーチェさーん!待ってください!!」
「はぁ。女の子って疲れるな〜。」
ルーナピェーナをあとにし、適当に北のほうへ歩いてみる。すると、悪寒のするような風が自分たちの前を通り過ぎる。まさか……と一同思う。そう……
「おっほっほっほっほ!!お久しぶりねぇー坊や達!!」
「五月蝿い、ビッチ!!あたしは坊やじゃない!!」
「あたしも!!」
「私もです!!」
ノーテは苦笑いしながら、可哀想な目で魔女を見つめる。スプリングが叫んで呼んだ名前「ビッチ」で分かったはずである。彼女はオクプタートの武力祭でクロノたちの前に初めて姿を現した魔女、パウラである。
可哀想な目を感じ取ったパウラは急に恥ずかしくなって、ノーテを指差して怒鳴りつける。
「どういうことですの!?性格悪いのは貴方の仕業じゃなくって?!えぇ!?」
「まあまあ……そう怒らんと。怒ったらしわ増えるで。今以上に。」
「きぃぃぃぃぃぃ!!そりゃ確かに千年は生きてる身ですもの!!増えて当然……って何言わせるんじゃコルゥアアアア!!」
「まあええやん!アンタの好きな戦い……始まるんやし……機嫌直し。」
パウラは怒りを笑いにし、楽しそうな顔になる。黒いドレスを靡かせ、
「そうね……」
と答えた。