ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの彗星 【参照400突破!返信100達成!!】 ( No.140 )
- 日時: 2011/04/13 21:28
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: 巡音ルカは雰囲気的にライトニングに似てると思わないか?
「やっぱり、ここ……やめない?」
サッサと草を踏む音、鳥の鳴き声……ぐらいしか聞こえない森にクロノ・ジャスティス・ミュゼットが歩く。なんとなくだが、盗賊の勘というやつかここがいいと思ったクロノはずんずんと勝手に歩いていく。
さっきまでは日当たりがよかったのだが、いつの間にか真っ暗である。どうしてくれるんだと思いを込めた視線を一方的にクロノに向ける二人。訳のわからない魔物の鳴き声や視線もあるし、肝心な仲間とも逸れたしでもう踏んだり蹴ったりである。
「戻ろう。死ぬぞ。」
「いや……俺の勘が--------------
と、クロノが言いかけようとしたその時!
後の茂みから大きな魔物が出てくる!手が大きく石のように硬い。体中毛で覆われ、目が白い。ジャスティスは「ほらみろ!」というような視線を向ける。
「ウェンディゴだ……!」
クロノはそんな視線も無視してオリハルコンを取り出し、斬りかかる。肩を斬ったが、防御力が高くなかなか倒れない。隙が出来てしまったクロノに硬い拳が当たる。
だが、なんとか体勢を整えうまく着地する。結構、やりにくい奴と会ってしまったなとクロノは少し後悔する。その後で見ていたミュゼットは手を大きく広げ、ウェンディゴに向けた。そして、念じるように目を瞑った。
するとウェンディゴはずんずんと茂みの中へと帰っていったのだ。ジャスティスは驚いたような目でミュゼットに目を向ける。ふぅと小さく息を吐いて腕組みをする。
「はぁ。まさか、こんなところでウェンディゴに会うとは思ってなかったわ。」
「ミュゼット……さっきのは?」
ジャスティスは顔を覗かせ、ミュゼットに聞いた。彼女は「あぁ」と言って歩き出す。
「『共有』っていう私の能力。自分の状態を相手に共有するの。」
「じゃあ、どうやって帰らせた?」
「今ずっと帰りたいって思ってたのよ。それを使って私の思考とあのウェンディゴの思考を共有したってわけ。このままじゃ、皆死んじゃうから……。」
ミュゼットは顔を曇らせ、下に俯いた。クロノはずっと歩く。その時、一つの光り。出口である。ミュゼットにそれを伝えるとほっとしたように安心しクロノを呆れた目で見つめる。
「まっ……抜け出せたし結果オーライだね。」
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一方、北へ飛ばされたノーテ。目を開ければ、ある街の近くだった。目が霞んでよく見えないが目をこするとそれは神秘的な街だった。
全て真っ白い教会でその一番奥には大きな教会が立っている。あまりにもすごい景色なので見とれてしまう。
「んっ……寒ッ。」
周りには雪が薄っすら積もった山脈がこの街を囲んでいた。
「とにかく……お邪魔せんことにはここどこか分からんしなぁ……。」
心配しつつも、動くノーテであった。