ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの彗星 【参照400突破!返信100達成!!】 ( No.141 )
- 日時: 2011/04/14 20:27
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: 巡音ルカは雰囲気的にライトニングに似てると思わないか?
後から視線を感じる。チクチクと背中が痛い。鋭い視線はノーテの胸を貫通するほどだった。例の教会だらけの街に早く行こうと足早に歩いてみても足が重くて、街が遠く見えてしまって……妙な感覚だった。体が言うことを聞かず、イラッとした彼は柔らかい雪をザッと蹴ってピタリと止まった。足の上についた雪は温かさでだんだん溶けていき、水と化した。
「---------誰や?誰なんや……?」
後を見ながら、前へ歩く。誰だと聞いても当たり前のように出てこないのが常識だが……今回は違った。普通に出てきたのだ。むしろ楽しそう。妙な仮面を被った男--------そう、漆黒の使者の一員。ノーテははっとし、刀に手をかけた。
「生きとったんか……!」
「当たり前じゃないですか★あんなので死にませんよっ♪」
戦いを知らせるように、冷たい風が吹いた。刀を静かに抜く。雪が刀についてキラリと光る。仮面の男はクスリと笑ってだんだんこっちへ近づいてくる。
「僕の能力ご存知ですか……?」
「知らん。」
「そりゃそうですよね。じゃあ、今から教えますよ。覚えておいといてくださいよ?」
「--------------どういうこっちゃ?」
男は目の前で止まると、首をゴキゴキ鳴らして仮面を手で隠す。すると、仮面が裂け、そこから紫色の奇妙な舌がノーテに向かって伸びる!目と耳と頭の目の前で何かをすくうようにようにし、そのまま舌は仮面へと帰っていった。
と、同時にノーテはバタッと倒れ動かなくなった。男はさっき以上にクスリと笑って去っていった。雪景色に一人だけ倒れる、白髪の男はもう、動かなくなっていた。次、動けるかどうか……さえも分からない。もう二度と、口から吐息を吐くことなく-----------------
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一方、クロノたちも街の目の前にいた。落ち着いた感じで、静かな街のようだ。ジャスティスは周りを見渡し、目に付いたのは「図書館」だった。クロノとミュゼットがずんずんと適当に歩いていくのを引き止めた。
「……図書館に行きたいんだが……。」
「------------やだね。」
「やっ……!?」
即答に言葉を失うジャスティス。クロノはそう言って、またズカズカと行ってしまう。またあの時のようなトラブルはごめんである。悔しそうな表情を見たミュゼットは、ジャスティスの手を握って言った。
「じゃあ、代わりに行ってきていいよ?私があの人の面倒を見るから。」
「い、いいのか……?女手一人じゃあいつは……。」
「いいのよ。一度決めたからには……ねっ?」
ジャスティスは手を更に強く握って、コクリと頷く。
「どうしても調べなくてはならない……。この街は、本の街と呼ばれて有名な「セーテ」だ。ここなら……。」
「じゃあ、内容教えてね。貴方の思考は丸見えよ。」
ジャスティスは大きく頷き、図書館へと走っていった。