ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの彗星 【参照400突破!返信100達成!!】 ( No.150 )
- 日時: 2011/04/21 21:47
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: 巡音ルカは雰囲気的にライトニングに似てると思わないか?
文章では、いきなりロッタが南の孤島へと飛ばされていることになっている。それはミスではなく、ちゃんと理由がある。脱色の女性と戦っていた3時間前に遡る。
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脱色の女性は息を大きく吸って、力を溜め始めた。周りから強風が吹き、ロッタは飛ばされそうになる。だが、女のプライドなのか、絶対飛ばされて溜まるかという気持ちが足の力を強めた。
「精々、今のうちにネックレスとキスでもしとくことね!」
「はぁ?キスぅ!?いやだね!お前と共死にだったらいいけどね!!」
「あ、っそう。でも、あたしはあんたと共死には困る!あんただけでも------------死んでくれればなぁ!」
脱色の女性、イファミは手を大きく横に振り、大きな竜巻を作ったのだ。ロッタは「えぇ!?」と予想も出来なかったような声を出す。イファミはキャッキャッ笑って愉快そうだ。
竜巻は猛スピードで近づいてくる。ロッタは炎龍蹴で振り払おうとしたが竜巻はそれを払ってロッタは、今居る場所へと飛ばされたのだ。
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日が沈んで、焚火がごうごうと燃える中、ロッタは火に照らされる。その手にはきらりと光るネックレス。それを見て、彼女は微笑んだ。敵からこの、謎の秘宝を守れたからだ。これを渡せば、何かなるに違いないと思ったのだ。
「あたしのプライドはあいつと違うんだよ……。」
「------------それ、どうして貴様のような奴が持っている?」
ハンモックから声がした。
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一方、ルーナピェーナは崩壊状態だった。ロッタたちが飛ばされてから、魔女がこの街を襲撃したのだ。もう建物は崩れ落ち、あの高い時計塔は半分になっていた。月明かりは、残酷な町並みを照らす。
その瓦礫の道を、駆けるシルクハットの男、エルメスがいた。
「----------------魔女」
高い瓦礫をヒョイッと飛び越えて、高台でルーナピェーナを見渡す。初めてその情景を見て悔しいというか悲しいというかこの二つの感情が入り交ざって妙な気持ちになった。
「僕達の街が-----------------」
「おうっ、まだ生存者がいたなんてな……。」
瓦礫の下から、ひょっこり出てくる白髪の男。エルメスは会釈する。それにあわせて彼も手を頭にピッと出す。
「お前、あの奇術師さんだろ?俺、そこ-----------にあったはずの薬屋だ。」
「--------------そうですか。」
「さっ。今はとにかく、出ようぜ。ここに居てももう------------。」
ルーナピェーナはもう、あの姿を戻せない。