ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの彗星 【参照500突破!感謝感激雨嵐】 ( No.157 )
- 日時: 2011/04/24 20:57
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: 動画作りたいな。
アリスはお父さんと分かったためか、深々と頭を下げた。ルオウはいきなりの出来事に手をわたわた振って、頭を上げるようにと手を上に挙げた。
「ルオウさん、ノーテを--------守れなくって……。」
「守れへんかった?ほう。なんでや?」
「-----------魔女に襲撃されて……。」
「魔女----------か。色々と小耳にはさんどったけど。」
ルオウは掴み上げる少女を振る。少女は「あばばばばっ」と言いながら仕方なしに奪った魔法石をアリスに返した。ルオウは「よしっ」と言ってから下ろした。
「アンタのことも一応は知ってるんやで?」
「えっ?」
「ウェルボック学院で唯一、能力を持ってる女の子っ?君やろ?」
口をあんぐり開けたまま、何度も頷く。さすが、警察のおえらいさんだ。調べに調べつくしている。
「まっ、来いな。アダムス、お前もや!罰として、俺の仕事手伝ってもらうからな。」
「は、はーい。」
アリスはある大きな建物に連れて来られた。ルオウ曰く、ここが警察署らしい。アリスが知る警察署は、しっかりしたコンクリで出来たようなものだが、ここは違った。木造なのだ。こんな弱弱しかったら、テロリストや強盗が攻めれば、一発で崩れるだろうと思う。
「ほい。よんどき。」
ルオウに渡された本は、魔女による資料だった。アリスは目をパチクリさせて拝むようにまた深々と頭を下げた。ルオウはまたあたふたして手を上に挙げる。
「君にとったら、一番欲しい情報ちゃうか?」
「----------は、はい。」
ルオウは仕事がもう一つあるからと、警察署の書庫を出た。彼に続いて、少女も出ようとしたが手を前に突き出される。
「え?ルオウさんー?」
「あっかん、あかん!一緒におっといて。女の子一人じゃあれやろ?」
「ま、待ってください!あたしだって女の子ですけど!!」
「あひぇ、聞こえへん。」
ルオウはピシャリと障子を閉めて、すたこら夜の道を走っていった。少女は仕方なしに、アリスの横に座って彼女が読む資料を一緒に読んでみた。が、全く分からない。暇なので、髪の毛を思いっきり引っ張った。
だが、アリスは資料を読んだまま動かない。少女は「はぁ?」と思いながらさらに耳を引っ張った。が、状況は同じだった。とうとう諦めて心の中で叫んでやった。
(暇だ、くのぉぉぉぉぉぉ!)
少女はしばらく黙った。外から聞こえる、足音。人の笑い声。自分が黙るとこんなに静かなんだと思った。そして再び起き上がって、起こられるのを承知して聞いてみた。
「ねっ?何読んでるの?」
「--------------魔女のこと。私の、仇。」
アリスの瞳に光る、闘志の目が少女にも伝わるほど強かった。