ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの彗星 【参照500突破!感謝感激雨嵐】 ( No.159 )
- 日時: 2011/04/24 21:46
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: 動画作りたいな。
「----------ほう、欲しいのか?」
ミュレアが自分が持つ神物(コスモス・パーツ)を見せ付ける。影はくっくっくと笑う。やしの木から出てきたのは、漆黒の使者の一人サングエだった。
「おお。サングエか。なんだ?」
「なんだもこうもないんだよねぇー。さっ、返そうか。」
ミュレアが鼻で嘲笑うように笑った。サングエの眉がピクリと動く。
「元々、貴様らの物ではない。返すなら、神に返そう。」
「そうかい、そうかい。そうしてくれないなら、仕方ない。力ずくでも奪うことしかないね!」
サングエは焚火に魔法をかける。すると、焚火がだんだん巨大化し、炎の魔物へと姿を変えたのだ。ミュレアはふっとまた鼻で笑って手を大きく横に振った。
手が動くと、水で出来たナイフが現れる。それは100本を超え、炎の魔物とサングエに向かって飛ぶ。サングエは石に触る。すると、石は盾と化し、彼を守る。魔物はナイフをまともに食らって、体がしぼんだ。
「サングエ、貴様はそのような屑しか練成できんのか?」
「ふふふふっ--------言ってくれるじゃないか。君は色々と子供をナメすぎなんだよね?」
サングエは自分が持っていた石の盾を魔物へと投げ込んだ。すると、魔物は石を吸収して、硬い体を作ったのだ。ロッタは「ぎぇぇぇぇ!」と叫んで混乱している。
「やるじゃないか。なかなかの錬金術だ。」
ミュレアは手を地に付き、祈るように目を瞑った。すると、向こうから20メートルにも及ぶ大津波がこちらへ向かってくるのだ。サングエは目を大きく見開いて後ずさりする。
「私がこのような力を使えまいと?」
「くっ--------------!」
ミュレアはロッタの腕を掴んで、一番高いやしの木へ上った。高いところへ登るとどれだけ津波が高いか良く分かる。見るだけで身震いする。ミュレアはサングエのほうへ細い水を飛ばした。すると、サングエの周りを縄のようにグルグルと巻いて、身動きさせないようにした。
「なっ、なんだこれ!どういうことだよ!」
「自らの目で確かめるんだな!幸せじゃないか?お前が練成した魔物と死ねるなんてな。」
津波はサングエたちを飲み込んだ。魔物はあっけなく潰され、サングエは消息を絶った。あんな大きな津波に飲み込まれたんだ、死んだだろうとロッタは思ったが、彼女は小さくため息をつく。
「どうしたの?」
「お前、あいつが死んだと思ってるだろう?--------いや、まだ生きている。色んな魔力を吸収しているんだ、少しはダメージを和らげているはずだ。さあ、ここを離れるぞ。この、神物(コスモス・パーツ)と一緒に漆黒の使者から消えなければな。」
神物(コスモス・パーツ)を持ったミュレアとロッタは島から出て行った。