ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの彗星 ( No.17 )
- 日時: 2011/03/05 21:34
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: http://ameblo.jp/pokemon19/
一方、魔女撃退組織本部内。
地図と引き換えに、魔女撃退組織のジャスティス・ホークアイにスカウトされたノーテとランド。二人は、ジャスティスの誘導によりボスに挨拶をしに行くため本部にいるのだ。
「始めて来たわ、こんな大都会の中にあるデッカイビル!」
「大都会自体・・・来た事ねぇもんな。」
キョロキョロ見渡しながら、エレベーターの景色を見る。ここは、夜の街「エンドレス・ナイト」。大人たちが行き来する、大都会である。大きなビルやタワーが立ち並び、ひっきりなしに車が動いている。
「着いたぞ。ボスの部屋だ。」
ジャスティスは、エレベーターの扉が開いたあと一礼してから大きな扉を開けた。そこには月明かりに照らされる男が椅子に座って景色を眺めていた。
「ボス、仲間を連れてきました。」
「・・・ほう。」
ボスと呼ばれる男は椅子を横に回し、こちらを向き、電気をつけた。部屋中の電気は男とノーテを照らす。
「・・・俺が、魔女撃退組織の責任者、ウェイト・ストロガノフだ。」
茶色い髪の毛を揺らし、赤い瞳をこちらに向けた。鋭い眼差しがさらに緊張を誘う。
(こ、怖い人や・・・。よ、よぅ喋れんわ・・・。)
(む、無理だ・・・。俺には、コイツとは絡めない・・・。)
二人は肩を震わし、一礼した。ウェイトは椅子から立ち上がって、中央に立った。
「・・・お前たちの職業は?」
「えっ・・・?!職業ッ?!」
ノーテはチロチロとランドに目を合わせるが、プイッとそっぽを向かれてしまう。こんな怖い人に自分たちの職業は盗賊ですとはいえない。冷や汗をだらだら流し、意を決して言った。
「と、盗賊ですわ・・・。」
「盗賊?物を盗んだり・・・しているのか?」
「えっ・・・と、まあ・・・そうですけど・・・、強盗みたいに強奪はしまへん。あんなおっそろしいことはしませんねん。」
横でランドも大きく首を縦に振る。ウェイトは頭をポリポリとかきながら「そうか」と表情を一つも変えずに椅子の近くへと戻っていく。ノーテは大きくため息をついて安心した。
「じゃあ、お前たちは足が速かったりと・・・素早い動きが出来るのか?」
「え、僕はそういうの得意ですけど・・・彼はどうでしょうかね?」
ノーテはランドに目を送り、不敵な笑みを浮かべて「お前をしゃベらさへん訳にはいかんぞ」と小さな声で言った。ランドはピクリと肩を動かし急に冷や汗をかきだす。
「ほう、では・・・お前は何の能力が出ているんだ?」
「・・・・・・・攻撃力ですかね?俺は、コイツみたいには・・・そんな早く走ったりとか出来ないんで・・・、せめて・・・攻撃くらいですかね・・・?」
小声でそう話した。ウェイトは「ほうほう」と頷き、ノーテたちの前に立った。
「採用させてもらおう。今、そういう人材が欲しかった。よろしく。」
「よ、よろしくお願いします。」
「では、早速・・・明日から仕事をしてもらおうか。まずは魔女の居場所を追うことが一番だ。危険かもしれないが、頑張ってくれ。ジャスティス、お前も一緒に行ってやってくれ。」
「はい、わかりました。」
「では、解散だ。今日は一番奥の部屋で寝るといい。疲れているだろうし・・・ゆっくり休んでくれ。」
ノーテたちはウェイトの部屋を離れ、紹介された部屋へと足を運んだ。ジャスティスは自分の部屋へ戻っていった。ランドはベットに寝転がった5分後に鼾をかいて寝てしまった。
「・・・はっやいな。ほな、俺もそろそろ寝よか。」