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Re: 僕らの彗星 【参照500突破!感謝感激雨嵐】 ( No.172 )
日時: 2011/04/28 19:17
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
参照: 足かゆっ

「お前に双子の弟なんていたんだなぁ!」
「うん……だが、いつものコイツと違う。いっつもは俺をことをおちょっくったりしてるんだが-----------なんで寝てるんだ?」

ルイスはなかなか理由を言い出せずに部屋をうろちょろする。雰囲気を和まそうとお笑い的な感じで笑わそうと思ったが、こんなメンツでは笑ってくれるはずもないし、返って怪しまれたりする。ルイスは決意し、今の状況を説明した。
 が、マティーナは取り乱したりもせず「ふぅん」と返したのだ。一瞬なんちゅう兄じゃと思ったが、マティーナは口を開く。

「その奪った奴を殺せばいいんだろー?簡単じゃねぇか。」
「------------いや、そうだけどさ。何処にいるか分かんないぞ?」

エルメスもコクリと頷いた。マティーナはうーんと唸って、ルイスに「電話を貸してくれ」と頼んだ。部屋の隅にある電話を持ってきて、マティーナに渡した。番号が書かれたボタンを押して、受話器を耳にくっつけた誰に電話するんだと思いながら、コーヒーの用意をする。

「んーあぁ、もしもし?父さん?」

マティーナは自分の父である、ルオウに電話する。受話器からかすかに声が聞こえる。

『おっ、マティーナか。今なー、お前とノーテのこと知ってる友達みたいなん来てなー。漆黒の使者の事件解決途中や。』
「友達ぃ?なんてやつだよ。」
『アリス・ノーウェルゆーこや。ポニーテールでな、茶髪の。黒い服着てんねん。』

あの時、薬屋に来たやつかと一瞬黙ったが……まあどうしてそんなことしてるかは知らないがと思いながら、用件を言う。

「一人探して欲しい人が居るんだけどさ。」
『え?探せって……また下らんことで捜査探知機使うんかぁ?あかんて!署長に怒られるわ!』
「いいのかよ。実の息子が、五感取られたんだぜ?」
『はぁ?何かの冗談か?五感盗める奴なんかおらんやろ!』
「いるんだよ。マジなんだよ。能力別で探してくれ。『暴食盗(ゴローシタ)』ってなぁ。」
『-----------分かった。息子がそういうんやったらな?ええか。これが最後やぞ!ノーテが危険やからや。』
「っせーなぁ!分かったから、さっさと探せ。んじゃな、おう。」

ルイスとエルメスはとっくにコーヒーが入ったコップを手にとって啜っていた。えらく長電話でルイスは大きくため息をつく。「そこ座れ」と椅子を引いてマティーナを座らせる。さて、いろんなことが気になるルイスはこれから質問攻めを仕掛けるようだ。