ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの彗星 【参照600突破!感謝感激雨嵐】 ( No.183 )
- 日時: 2011/05/01 21:35
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: コントラバス……チューバ……コントラバス……チューバ……
「よし。」
トゥルースが飛空挺の方に指を向けて合図する。作戦はこうだ。イファミがよそ見している間、さっさと飛空挺に入ってしまおうってわけである。さぁ。イファミがよそ見をした!「今だ!」全員が走り出し、飛空挺に駆け込んだ。なんとか気づかれず、飛び立てそうだ。
「あのっ……なるべく遠く!」
パーチェがパイロットに行き先を伝える。「あいよ」と返事が返ってきて、飛空挺を飛ばす。イファミとオクプタートがどんどん小さくなっていく。パーチェはぎゅっとデ・ヘレマの石を抱きしめ、マニフィコの無事を祈った。
------------ドガァッ!!
飛空挺に大きな揺れ!空に地震が来るはずがない!スプリングが恐る恐る窓から原因を探す。そこには、飛空挺につかまるイファミだった。ニヤリと笑ってだんだんこっちへ上ってくる。
「気づかれないと思ったかぁ!?えぇ!?無駄だっつぅーの!あたしの『千里眼』ならどんなところも見えちゃうんだからなー!」
「えぇーい!うっとーしいなぁ!!」
ただ、ここでは爆破を使えない。使えば、墜落する。すると、後からトゥルースが出てきてスプリングに退く様に伝えた。心配だったが、いつものトゥルースと違って一段と芯が鋭くなった感じがした。今の彼なら任せられる!そう思ったスプリングは退いた。
「おやあ?大魔導師の本持ってるじゃない?一応それも大きな魔力持ってるし頂いちゃうぞー!」
「へんっ!!こんなものくれてやるよ!!」
重い本をイファミに落とす。「いったぁぁぁ!」と痛みにもがき苦しむ。そして落ち着き、またこちらをニヤリと笑ってくる。
「おやぁ?あれなかったら、強い魔法唱えられないんじゃない?」
「------------困るな。勝手に決めてもらっちゃあ。」
「はぬっ?!」
手を合わせて、魔力を溜め始める。彼から、魔力の念が吹き荒れる。あの泣き虫なトゥルースが大人の様に進化を遂げて、強くなったと思うとスプリングはとても嬉しくなる。「くそっ。あんなガキに負けるなんてな」と嫌味な感じで言ってやった。
「究極魔法でもよかったんだよ?」
「-------------究極……魔法!?」
「でも、君のようなやつには究極魔法は使いたくないんだ。せめて強魔法だな!!」
「------------や、やめ……」
「炎魔の轟き!『灼熱(コムブースティオネ)!!』
手を大きく広げると、炎でできた炎神がイファミの体を焼き尽くす!「がぁぁぁぁ!!」と叫ぶ。だが、遠慮なくイファミを焼き続けた。炎は悪を焼き尽くす!
「くっそ!!リシリア……ごめんね……先逝っちゃうわ……。約束守れなくてごめん------------。ユインさん……元気でね。」
最後にこんな言葉を残し、イファミは深い森へと落ちていった。
Episode8「三体目の魔女/三つの道具」END