ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの彗星 【参照600突破!感謝感激雨嵐】 ( No.184 )
- 日時: 2011/05/01 22:25
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: コントラバス……チューバ……コントラバス……チューバ……
「ストラノ……。」
「ハイ?」
ある一室に、仮面の魔導師ストラノと上級アサシンの黒怨がいる。紅茶を啜りながらストラノは黒怨を見つめる。キラリと緑色の瞳が光る。
「ノーテは……ノーテをどうしたんだ?」
「なぁんだー。そんなことですかっ。死んでませんよ。ですが、必要な五感と記憶を私のおなかに修まらせていただきました。」
「-------------治せ(もどせ)。」
「はに?」
「戻せと言ってるんだ!!!」
Episode9「忍者と暗殺師/幼き記憶」
黒怨の刀がストラノの仮面を斬った。仮面が割れ、そこから出てきたのは驚きを隠せない顔をしたストラノだった。刀をしまって、お茶を啜る。
「すまん……やりすぎた……。」
「------------お友達を助けたいんですよねぇ?」
黒怨はお茶に映る自分を見つめる。じっと黙ったまま。ストラノは割れた仮面を机に置いて、真剣な眼差しで黒怨を見つめる。
「貴方が行ってあげなさい。僕を倒しても、あの術は解除されない。あの人にとって一番大切な人が思い出させる鍵を持つ。それは-----------貴方じゃないんですか?」
「自分にとって……大切な……?」
視線をストラノに送る。コクリと頷くストラノ。椅子から立ち上がってドアノブに手をかける。下を俯く黒怨が見えたストラノも立ち上がって背中をポンッと支えた。
「場所は、北国ケーサ。一番大きな教会にいます。」
「だが、リシリアチオはそれを許さないんじゃ……?」
「えぇ、そうでしょうねぇ。でも、ここはワタシも一肌脱ぎましょう。貴方を力尽くで抑えようとすれば、ワタシがリシリアを抑えましょう。さぁ、行きなさい。一刻の有余もありません。」
強く黒怨の背中を押し、部屋から出した。確かに、一刻の有余もない。屋敷からさっさと抜け出し、ノーテの居る場所へと急がなくてはならない。普通に出るとリシリアにばれるので、裏口から出る。まあ、どう足掻いたってばれるだろう。
「『地球の記憶(テラ・ストラジェ)』があれば、どう足掻いたってな-----------」
小さな裏口から飛び出して、外へ出る。ここは孤島で、周りは海だ。黒怨はポーチから魔法石を取り出す。この種類はアメジストのようだ。ギュッと握り締め、上へ放り投げた。
「天の導き……『ウーラノス』」
紫色に光り、紫色の翼竜が姿を表す。その背中にまたがって、「頼んだぞ」と一声かけると、その地を離れてケーサへと向かっていく。
「ノーテ……」