ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの彗星 ( No.19 )
- 日時: 2011/03/05 23:55
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: http://ameblo.jp/pokemon19/
「クロノやん!えらい、久しいの!生きとったんか!」
クロノは、無表情でノーテを見つめる。少し、様子が変だと思ったノーテ。頭をポリポリ掻いて、聞いてみた。
「お前、どうしたんや?えらい、無口になってもうて。」
「いや。お前を知ってるなと思って・・・。」
「知ってる?当たり前やんけ。何言うてんねん?おふざけか?」
クロノは首を横に振る。「はに?」と声を漏らし、再び頭を掻く。一体どうしたんだと気になった。すると、クロノはとんでもないことを口にする。
「・・・お前、俺のことクロノって呼んだのか?」
「おうそうや。」
「そんな名前なのか・・・俺は。」
「・・・・・・・・・はっ?」
すると、後からひょっこり小さな男の子と鳥が出てくる。男の子はじっとノーテを見つめたあと「ああ!」と声を上げた。
「あの時の人!久しぶりだね、生きてたんだ!よかった〜・・・。」
「おうおう、あん時のチビやないか。よう生きとったな。フォーコも・・・・まあいうても不死鳥やし死なんくても当然か。」
ノーテははっとし、この子なら知ってると思ったのか、男の子を連れて外に出た。
「おい、アイツ・・・どうしよったんや?生きてたけど、ボケてもうたとか?」
「・・・ううん。なんか・・・石持っちゃったら・・・ああなっちゃって・・・。」
「石?」
それはクロノたちがこの里に1時間ほど前のこと。男の子は目を覚まし、ふとクロノのほうを向いた。すると、青く光る石に手を伸ばすクロノが見えたらしく気になって男の子も見に行ったらしい。そして、クロノはその石を手に持った瞬間・・・記憶を失ってしまったらしい。
「・・・なるほどな。なんや、変な石やな。」
「うん・・・。それ、サファイヤみたいでね・・・。」
「サファイヤ!ええなぁ、結構高こー売れるんやで。」
「・・・今、そんなこと考えてる場合じゃないでしょ。」
「す、すんません。あ、そや。お前の名前聞いてなかったな。なんていうん?」
「トゥルース・ウィング。お兄さんは?」
「ノーテ・ステッレゆうんや。よろしゅう頼むで。」
「よろしく。」
宿の隅で二人で話しているその後で、睨みを利かせる男が二人。ノーテを背中を掴み上げ、怒鳴り散らす。
「ノーテ!!お前、聞き込みしたのかぁ!?何もしないで、子供を連れて行くなんて・・・どんだけ根性悪いんだお前ェェ!!」
「わわわわ!!ちゃんとしたて!でも、あのおっさん知らんゆーたで!」
「・・・そうか、やはり知らないか。」
ジャスティスは背中を掴む手を離す。ノーテはホッと息を吐く。「あ、せやせや」とほったらかしにしていたクロノを連れ出し、ジャスティスに紹介したあと、今の状況を話した。
「・・・記憶喪失?石を持っただけで?」
「せやせや。変やろ?」
「うーむ。じゃあ、その石見せてくれ。」
「え、でもジャス!記憶・・・なくなんで。」
「いいから。心当たりがある。」
クロノはポケットに入れていた青い石をジャスティスに渡した。ジャスティスは手に取ったが記憶はなくならなかった。そしてその石を太陽にかざした。すると、目を大きく開き動揺する。様子がおかしいためノーテがポンポンと肩を叩くと、気がついたように動き出し石をクロノに返した。
「・・・これは、宝石・・・。魔法石だ・・・。」