ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの彗星 【参照600突破!感謝感激雨嵐】 ( No.203 )
- 日時: 2011/05/07 14:52
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: 良いものほど盗りたくなるもんなんですよ。
「なんとか、撒けたねー。」
トゥルースは椅子に座って、休む。しかし、さっきのは驚いたなぁーと思いながらスプリングは「うん」と返事した。一方パーチェは、外の甲板から空を見つめる。少し天気が悪くなり、雨がポツポツと降り始める。
「あっ……降ってきた。」
中へ戻ろうとした、その時!
強風がパーチェを襲う!普通じゃない風に飛ばされて、パーチェは壁に激突した。
「パーチェ……様。」
「---------------あ、あなたは!!」
Episode10「姫と家来/天空の戦い」
仮面の男ストラノは神獣「バアル」から降りて、甲板に落ち立つ。瓦礫からパーチェは出てきて、腰につけるサーベルを恐る恐る抜いた。いつもと違って落ち着くストラノにパーチェは不思議に思ったが……。
「パーチェ・ステイシャインズ……。姫であり、神の力を操る奇跡の子『神力妃(しんりょくひ)』。リシリアチオ様から排除せよ……ですってぇー!!」
ストラノは手につける鋼の爪を光らせながら、パーチェに襲い掛かった。サーベルで受け止め、ストラノを押す。意外と運動神経は抜群なようだ。ストラノは下を俯き、これからどうしようと怯える。
「……いつもの貴方じゃないです。どうかされたんですか?」
「それを、貴女が知る必要はありません。ワタシは貴女を倒すまで!」
手から大きな火の玉を出し、パーチェへ目掛けた。サッと避けて、サーベルで跳ね返す。火の玉を避けたストラノは一歩後へ退いた。
「では……この飛空挺ごと壊してしまいましょうかッ!!」
青く光る手を甲板の板の地に付ける。すると、大きなゆれが襲う。飛空挺内は色んなものが転がって散らかる。このままでは全て壊れてしまう。サーベルに魔力を込めて、魔法を唱える。
「氷魔斬刀(アイス・サーベル)!!」
冷気を漂わせるサーベルを地面に突く。すると、辺り一面氷に包まれて、手を地に付けるストラノの手が凍る。急いで放して、氷を溶かす。そして前を向いたときには---------------
「パーチェさまが……いない?」
「こっちです!」
後から声がした。
もしや!と思ったストラノは後に振り向いた。すると上からサーベルを構えて落ちてくるパーチェの姿が!「しまった!」避けきれず、サーベルは仮面を貫いた!
斬った後、また元の配置に戻る。真っ二つに割れた仮面はボロボロと崩れ落ちる。仮面をはがれた魔導師に真の顔が映し出される。
顔を急いで隠そうとするが、もうとっくにパーチェに見られていた。隠してもしょうがないので、わざと睨みを利かせて奇妙な笑いを浮かべた。
「やっぱり……なんですか?」
「何がです。貴女の事を知っていたとしても、ワタシの記憶には必要ないでしょう?」
「嘘ばっかり!!その笑みだって、嘘なんでしょう?本当は……泣きたいんじゃないんですか……!ストラノさん!!」
パーチェから発せられる彼の名前。
ジーンと彼の頭に響く、自分の名前。
「パーチェ……様……。」