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その二人が出会うとき。運命は変わる。
いい方向に走っていた汽車は、錆びだらけで弱った橋の方に走っていくようだった。二人の運命を変える勇者が顔を見合わせた。

一人の勇者はビシッと睨みを利かせ襲い掛かろうとする。
もう一人の勇者ボーッとして、襲いかかろうとするもう一人の自分を見つめる。

「やっと……見つけた……！覚悟しろ……！」
「俺はお前なんて探しちゃいないんだ。俺は、真の敵を探しにきた。」

二人のクロノを前にし、言葉が出ない。どっちが本物でどっちが偽者か。ロッタはいつものぐーたらクロノが本物だと言った。よって後から来たほうが本物なのでは？という意見に。

では、このもう一人のクロノは何者なのだ？

ヨロヨロと立ち上がって、オリハルコンを構えるもう一人のクロノ。だが、本物のほうは動かずボーッと見つめるだけである。ジャスティスとエルキが焦りながら呼ぶが気づかない。

「どんだけあいつはのろまなんだよ！！どっかネジがイカれたのか！！」
「もとからそうだよ！！」

「ぐあああああっ！！」と叫びながらクロノに襲い掛かった。が、本物のオリハルコンが受け止めていた。「何ッ！」と一瞬驚くが、また退きオリハルコンを構えた。

そして本物のほうも立ち上がる。だが、面倒くさそうにゆっくりとたちあがってピシッと睨みを利かせた。

「今苦しいんだよ……あんま動かすな。」
（そっちかよ……！）

みんなの心が一つになった。



ジャスティスは偽者にどなりちらすように聞いた。

「お前、何者だッ！！何のためにクロノを狙う！？」

偽者はコツコツと本物に向かいながら質問に答える。

「未来は……こいつのせいで消える！同じ人間が二人いれば、この世はバランスを崩し……崩壊するッ！！俺は見た……ヴェントネリアで見たんだよ……！ヴェントネリアの予言の水晶に俺が現代に蘇ってこいつと戦って運命を決めるはずが……！こいつは俺から逃げ去っていく未来。そうだ！！俺と戦えばこの世は崩壊しないんだよッ！！どちらかの運命を決めれば……世界は救われないんだ！！世界を救うからと言って俺はこいつには絶対負けない……！こいつにこの世を託せば、どの道いっしょだ！！魔女の運命を怯え、逃げてるんだからな！！」

ロッタは「は？」と意味がわからそうな顔を浮かべてジャスティスを見つめる。「ワタシは分かりません。だから兄貴教えて」と目で言っている。ジャスティスは大きくため息をついて、妹の円らな瞳を無視した。

「行くぞ……！クロノ・ブライト！！」
「来いよ、クロノ・ブライト。」

二人がオリハルコンを構えて、向かっていく中空間が乱れだした！