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Re: 僕らの彗星 【返信200突破!感謝感激雨あられでもいいわ!】 ( No.212 )
日時: 2011/05/07 22:26
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
参照: そういえば、クロノトリガーでも主人公の名前がクロノでしたね。

空が紫色へと変わる。風も強まる。偽者はギロリと本物を睨みつける。「お前だろ!!」と怒鳴るが、本物はゆっくりと首を横に振る。

「違うな。俺はこんな気味悪くて強い魔法なんか使えないさ。」

周りの皆も周りを見渡す。ミュレアは手をあごにあて、空を見上げる。

(これは--------普通の人間や魔物では出せない力。だからといって神も不可能に近い力でもある……。魔女か!---------今までとは違う、とてつもない強大な力!!)

銀髪を揺らし、とれそうなマントのフードをあてて金紅の瞳をクロノへ向けた。運命で動く終焉の歯車は--------今、動かされた。ここからはもう、楽しいことなんてない苦しい道になるだろう。

本物は得意である勘で、これから起きそうな事を見抜いた。自分の目の前に何か強いものが来る。こいつが近づくだけで、『存在』というものが無くなるような予感がした。とにかく、ジャスティスたちが集まる場所はなんとか大丈夫だが……。

本物は偽者に飛び掛り、のしかかる。「ぐはっ!」と苦しそうな声をあげてのしかかる本物を睨みつける。本物はジャスティスたちに大声で言った。

「逃げろ!!とにかく……遠くて高いところにだ!!」
「な、何でだよ!!」
「何でもかんでもだ!!やばいのが来るぞ!!」

そう言った後、下にいる自分をお姫様抱っこして遠くへ逃げた。すると自分たちがいた場所に稲妻が走る。するとさらに強風が巻き起こり、飛ばされそうになる。遠くにいるジャスティスたちも飛ばされそうになる。

「何だ……?」

エルキが短い髪をなびかせ、風を腕で塞ぐ。一方ミュゼットは木に掴まるが、腕力が少ないのか、飛ばされそうになる。足が浮き、完全になびく旗状態だ。

そしてとうとう手が木から離れてしまう!
が、ミュレアがぎりぎり手を掴んでいたので、飛ばされずにすんだ。

「あ、ありがとう。」
「礼等いらん。それより、自分の身をしっかり守れ。来るぞ。」
「な、何が?」
「------------史上最強の魔女『パッサート』だ!」

その声と同時に、稲妻がさらに強く落ちる。そこから紫の長髪、奇妙なローブが出てくる。黄色い妖艶な瞳を光らせ、クスリと不吉に笑う。何故だか知らないが、ブルッと背筋が凍る。

「ほう。二人も……神勇士がいるなんてな。」
「ふんっ……!今日こそ倒してやる、パッサート!!」
「---------あんた誰だよ。」
「はっ?パッサートしらないのか!?」

偽者はどうやらパッサートの存在をもとから知っているようだが、本物のほうは初めましてのようだった。

「ま……いいさ。いい機会だ、手伝え!」
「---------え、俺かよ。あいつらもいるだろ。」

本物はジャスティスたちに指を指す。
するとあっちからジャスティスの声が聞こえた。

「俺たちはこっちからサポートするから……。」

「あとはよろしく」みたいな言い方に、ピクリと本物はまゆげをゆらす。面倒くさいけどと思いながらオリハルコンを構えるが……

「待て!そいつはサポートだろうが何だろうが普通に闘っても勝てないぞ。」

クロノたちの後から男の声がした。クルリと振り返ってみると……。本物は目を大きく見開き言うのだった。

「お前……夢に出てきたヤツ!」