ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの彗星 【返信200突破!感謝感激雨あられでもいいわ!】 ( No.217 )
- 日時: 2011/05/12 21:03
- 名前: ツ個篠緬の救ツ青「ツ趣ソス ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
「どう足掻こうが、無駄よ……弱女(じゃくにょ)。」
「それはどうかな……?無駄かどうかは、運命が決める!!」
銀髪を靡かせ、金紅の瞳をキラリと光らせた。
「来い、スレーンクス!!」
水の塊が現れる。ユラユラと揺れ、弾けるように水滴が広がった途端、青い大きな鳥が現れる。不死鳥と思われしき、神の鳥は紅く燃え上がらず、青く透き通るような美しさを魅せている。
『あの者か……。』
スレーンクスは青い瞳を光らせて、魔女へと向かっていく。羽根を大きく羽ばたかせ、何かを呼んでいるようだった。すると、ザワワ……と何かが流れてくる音がした。ミュゼットは音のするほうへ顔を向けた。すると、大きな高波がこちらへ来ている!
「わわわっ!!何あれ!!」
ミュゼットは腰が抜けて立てない。ジャスティスとエルキは闘う神獣を呼ぶ。主の方へ戻って、ロッタ・ミュゼット・自分たちを持って行かせた。
『食らうがいい、忌まわしき運命の魔女よ!!『無の津波!』』
津波は大きく手を広げるようにして、魔女へのしかかっていく。波に飲まれる前に、スレーンクスはミュレアを掴んで、空へ逃げる。パッサートは少し驚いた程度で、普通に魔法でまたガードした。一方、オネスタとクロノたちは波に飲まれそうになった。
「こっちのことも考えてたのか……!?」
「知るか。いいや、とにかく……。大いなる風よ!『ヴィーヴル(トカゲ)』!」
本物はサファイヤを空高く投げて、ヴィーヴルを呼び出し、オネスタたちを掴んで、ミュレア同様空へと逃げた。偶然本物の横にいた、巫女パーテッサはじっと本物を見つめた。
「貴方は……この顔も覚えていないのね。」
「はっ……?」
本物はパーテッサのほうを見つめた。ピシッと脳裏で、痛みが横切る。すると、一つの静止画が見えた。ほんの一瞬だけ。全く見たことの無い情景--------------だったが、見たことがあるし行ったこともあるような場所だった。
偽者は少し険しそうな顔をする本物を見る。本物ははっとし、偽者に気になっていたことを聞いた。
「お前、誰なんだよ。俺なのか?それとも、クローンみたいなそっくりさんなのか?」
しばらく黙り込んだ偽者だが、普通に喋り始めた。
「俺はお前であり、お前は俺である。お前は、現代に復活した神勇士クロノ・ブライトだが--------俺は千年前から現代に転送された神勇士クロノ・ブライトだ。」
少し信じられなかったが------------コクリと頷いて「そうか」と一言言って、魔女のほうに顔を向けた。
「俺がいれば、お前は死んじゃって-----------未来が守れないんだろ?お前がいようがいまいが俺は……未来は守れない。条件付だ、俺を殺して、あいつ殺して来い!」
「----------何言って-----------」
津波の水は、全てなくなり、パッサートがはっきり分かるようになった。眉間にシワをよせ、手を大きく下に振り下げた。すると、ジャスティスが居る場所、ミュレアとスレーンスクが居る場所、クロノたちがいる場所と、稲妻が上に落ちた。
そして全員、地にへとたたきつけられた。