ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの彗星 【返信200突破!感謝感激雨あられでもいいわ!】 ( No.221 )
- 日時: 2011/05/13 20:59
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
「久しぶりじゃん〜!二人ともっ!」
「はい!」
「そうだねっ。」
アリスたちは手を取り合って喜び合っている。手を放し、ふとトゥルースの方を見る。かなりちっこい少年がいることに少々驚く。パーチェは彼女が何を思っているかなんとなく察知し、トゥルースの紹介をした。
「トゥルースくんです。アリスが私たちと出会う前に、大怪我しちゃって。」
「へぇー。んっ?君、何歳よ?」
「えぇっと------------14です。」
「じゅーよん!じゃ、アダムスと近いくらいじゃん〜!」
アダムスは気に食わなさそうな顔でトゥルースをにらみつけた。かなり前のトゥルースなら怯えて何処かへ行ってしまいそうだが、苦笑いをしている。まあまあ余裕というわけらしい。かなり成長したなとスプリングは思ってしまう。
「ま、いいか。よろしくしてよ。」
「う、うん。」
すると奥から、二人組みの青年が出てくる。一人は黒髪で、黒いコートを着る青年。もう一人は、黄緑色の髪の毛で白と黄緑色のフード付きコートを着ていた。
パーチェは赤髪の青年たちのことがずっと気になっていたので、早速正体を聞くことにした。
「貴方たちは一体何者なんです------------?飛空挺に乗せて欲しいってことで乗せたんですけど……なぜこんなところまで?」
赤髪の青年はコクリと頷いて、話し始める。
「俺たちは----------この世に迫る危機をクーストさんから教えてもらった。クーストさんがいる、カルマは魔女に破壊されてしまった。」
「-------------そんな!」
クーストとは、パーチェの叔父で、物知りだった。今までに冒険の手助けをしてくれた心優しい老人だった。クーストの悲報に動揺を隠せない。そのまま青年は淡々と喋る。
「クーストさんは、これから来る災難を、自作の機械で感知し、街の人々を逃がすようにと言った。だが、当時俺たちの体は小さく、そんなに力も無かった。人々を全員街から脱出させるのに、無理があった。だが、そこも分かっていたクーストさんは、俺たちにある薬を飲ませこの体になった。その3日後、予測どおりカルマは破壊された。俺たちはその3日以内に人々を助けたが----------クーストさんはこの街で死ぬと聞かなかったんだ。」
クーストらしい答えに、何故か安心してしまったパーチェ。クーストは信念を貫く、男らしい人だった。その話にだんだん聞き入ってしまう。
「だから俺たちは誓ったんだ------------。クーストさん含め、魔女のせいで死んでしまった人たちの仇を討つんだって。」
強い眼光に、パーチェは「はい!」と涙を拭って立ち上がった。そうだ、ここで泣いてちゃクーストさんはきっと悲しむだろう。彼女のいいところである、元気と癒しを与え平和にする。彼女の名前の由来だ。そしてこの名は----------------
クーストがつけたものだから。