ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕らの彗星 【返信200突破!感謝感激雨あられでもいいわ!】 ( No.222 )
- 日時: 2011/05/14 21:26
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: rs/hD2VF)
- 参照: さあて。このまま平和が続くといいんですがね?
「えぇー!あたしらを誘拐してどうするつもり?!」
仁王立ちでユインが青年を睨みつける。青年は「そうだったな」と理由を話す。
「お前たちには、漆黒の使者の目的を聞こうと誘拐した。」
「そ。目的ね。」
ユインは近くにあった、椅子に腰掛けて、コホンと咳払いをしてから長い黒髪を揺らす。紫色の瞳を聞こうとする彼らに向けた。
「この企画はリシリアチオが立てたってことは聞く以前に分かってるはずよ。まあまあ、本当はどうだかしらないけれどね。昔、リシリアチオが修行として行った、「魔法の街」ってところに行ったらしいわ。その街はいろんな国から狙われていて、いつ乗っ取られて、その住民達の力を悪用されるか分からなかったのよ。」
ユインはパーチェに「水」と言って、水を持ってくるように仕向けた。「はい」と快く引き受け、水が入ったコップをユインに渡した。水を一口飲んで、また続きを話し出す。
「リシリアチオは、魔法の街を乗っ取られることに反対し、軍が来れば、自分の力で押し返すと言って、住民達と約束をしたの。でも、その翌日とうとう、あるリッチな軍が攻めて来たわ。リシリアチオは約束を守ろうと襲ってくる兵を片っ端から倒していったの。でも、兵の数は多く、数の多さで住民達は拘束されていったわ。約束を守れなかったリシリアチオは自分を責め、次こそは悪から正義を守ると誓ったけれど-----------誓い方を間違ったようね。」
ユインは顔を曇らせ、言葉を切る。残りの水を全て飲み、一息をついてからまた話し出す。
「この世にある魔力を多く含む物を吸い取って、自分の力にすれば誰にも負けないと思ったそうよ。自分にとっての正義の計画を邪魔する奴=悪って考えになってしまったそうでね。いいヤツだけど悪い奴ってどっちか分からなくなったのよ。それで、リシリアチオにつく、手下は紛争とかによって哀しい思いをした人々よ。そうねー。簡単にまとめましょうかね。この世に存在する悪を破滅するっていうのが最終目的かしら?」
青年は大きく頷き、「そうか」と有り難味を込めた。ユインは「はぁ」と疲れたように椅子から立ち上がった。壁にもたれるアヴァルッセは「どつかれ」と一言かけた。
「はい、これで目的の話はお終いだけど?もう用済みって?」
「ん、まぁ〜俺らは別の意味で世界の敵だからな。殺されたって別に仕方ないと思うけど?」
すると青年は首を横に振って、口を開く。
「まだ質問は終わったと思うな。最後の質問だ。-------------お前らはこれからも悪事を働くか?」